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第十三話 スマブラ 1

 朝、いつも通りに登校すると、

『クソゲー企画第二弾!

「マリカー」の次は「スマブラ」だ!』

 という紙が下駄箱に入っていた。


 ……予告制ってのは新しいなおい。てか自分でクソゲー名乗るのかよ。


ーーー・ーーー


 部室に着いた時には、既に俺以外の全員がスタンバイしていた。


「第一回、スマブラ大会ぃぃぃぃッ!」

「キター!普通に遊ぶ感じの部活動キター!」

 煌がテンション高めで騒いでいる。

 そういえば、こいつはまだこの部で一度も遊びらしいことをしていない。


 こいつが体験したことと言えば

 黒歴史を掘り返され

 二度も水仙先輩に襲われただけだ。


 ……これからは少し優しくしてやろか。


 俺がそんなことを考えている間にも煌のテンションはドンドン上がっていく。あいつ、本物・・のスマブラは好きだったっけ。

「スマブラってあのスマブラ!?」

「あのスマブラ」

「色んなキャラ達が戦うあれ?」

「あれ」

 あやめ先輩もそのテンションに若干引きながら対応している。



「準備完了です」

 蘭先輩と準備をしていた水仙先輩が声をかけてくる。

 ちなみに、昨日のアレのせいか一度も目を合わせてくれない。恥ずかしがるなら何故やった。


ーーー・ーーー


「煌。元気だせ」

 前回同様、超巨大スクリーンを使った今回のスマブラ大会。

 その画面に映された題名は

 

『スーパーマーケットにおける闘争

〜ブランド品乱世〜』


 もう無理矢理感が半端なかった。

 スーパーマーケットで一体何が起きたんだろうか。ブランド物のセールでオバチャン達が乱闘騒ぎにでもなったのだろうか。


 いやキッツイだろこれ。

「あたしのおもってたすまぶらとちがう……」

 煌もなかなかダメージを受けたようだ。なんて酷い……。


「お前の気持ちはわかる。俺も以前マリカーのパクリで同じ気持ちを味わった」

「そうだっんだ……辛かったね」

 無言で握手をする。今、二人の心が一つになった。


「優勝者には、『好きな人に一つ命令できる(限度はあるよ!)券』を贈呈しまーす」

『!?』

 その言葉に蘭先輩以外の全員が反応した。

 確かに、蘭先輩の手にはそれらしき紙が握られている。



「よし、手を組もう。煌、お前が囮になって出来るだけ多くの敵を引き付け、上手いこと自爆しろ」

「それは蓮こそが適任だと思うよ。あ、誰かを引きつける前にやられちゃうかな?ゴメンネ、実力を考えてなかったー☆」


 握手していた手をどちらからともなく振り払う。

 誰がこんなのと心通わせるかクソが。


ーーー・ーーー


部員全員のテンションは最高潮に達している。

むしろ上がらない方がおかしいだろう。


「じゃ、製作者である私がキャラ一体ずつ紹介していく。ちゃんと全員の名前に合わせたキャラを作成したつもり」

あやね先輩が立ち上がり、教師が使う伸びる棒を手にスクリーンの横につく。


「まずはこれ。『蘭魔2/4』」

 いきなりキツいの来たなおい。約分したらアウトなんだろうな。

「全キャラ中一番小さい。超小さい」

「ねぇ、これ誰かに似てない?」

 蘭先輩があやめ先輩を睨むが、当の本人は特に気にせず話を続ける。

「水攻撃を受けると性別が変わる」

 完全にパクリだった。


「次のキャラ。『水洗トイレ』」

「私の扱い酷くないですか!?」

 水仙先輩が立ち上がり、両手を振り回して抗議する。

 画面には、それは見事なCGで作られた洋式トイレが。メガネまで乗せられている。……どうやって戦うんだこれ。

「このキャラは唯一の水属性持ち。移動不可」

「凄く弱そうじゃないですか!」

「次ー」

 水仙先輩は諦めて席に座り直してしまった。……不憫過ぎる。


「次。『蓮根』」

「レンコンだこれ!」

「根を張ります」

「どうしろと!」

「成長」

「闘えねぇ!」

 攻撃手段すら無かった。これは酷い……。


「そして『煌鈴革命』」

 なんかどっかの族みたいだな。


「あやめ先輩……これ、読み方」

「きらりんレボ」「ストォォォォップ!」

 弱冠古い。


「次で最後」

 この流れだと次はあやめ先輩をモデルとしたキャラが来るはずだが……。

「破壊神℃VOLZARD」

「若干予想ついてた」

 マリカーに続き連続での出演だ。今回はスマブラということで、こちらの方が本業だろう。


ーーー・ーーー


「さて、操作は覚えたね?」

 あやめ先輩からの操作講座も終わり、いよいよ戦争が始まる。

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