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第十一話 〇〇デレってやつ

「ねー蓮。ツンデレってあるじゃない?」

 それは中二病騒動の翌日、正常な蘭先輩から発せられた。

 部室にはまだ俺と蘭先輩しか来ていない。他の皆はそれぞれ仕事があるらしい。

「ありますね」

「あれ、何がいいの?」

 あー……。多分あやめ先輩から借りた本でそういうのも学んでしまったのだろう。


「ギャップじゃないですかね」

「帽子の話はしてないよ!」

「ツッコミませんからね」

 本気で理解出来ていない様子だ。これでも高二だからこの世界は恐ろしい。


「普段は冷たいのに、急に優しくなるわけですよ。その差に萌えーってなるみたいです」

「うわぁ、蓮が萌えーとか言った」

「例えですからね」

 自分で言ってて恥ずかしくなってくるから一々触れないで欲しい。

「でも実際いたらウザそうですけどね」

「だよねー」

「それにしても、皆遅いですね」


「何、私と二人きりじゃつまらないとでも言いたいの?」


 !?

 辺りを見渡すが部室には俺と蘭先輩しかいない。


「まぁ別に、私も好きで二人きりになってるわけじゃないし?」

「蘭せんぱ「で、でもね?」

 ダメだこの人耳が機能してねぇ。


「私は、さ。二人の時間、嫌いじゃ……ないよ?」


「キツいっす」

「ダメかー」

 この人なりに頑張ったんだろうけど、元を知っている分効果は激減していた。



ーーー・ーーー


「ツンデレですか」

 委員会の仕事を終えた水仙先輩と煌が部室に入ってきたのはそれから5分もしないうちだった。

「難しいねーあれ。さっき試したんだけど蓮には効かなかったよ」

「いや、良かったと思いますよ?俺は煌のおかげで耐性があるから効きませんが」

 目を閉じると浮かび上がってくる。何故かいきなりツンデレキャラになってしまった幼馴染みの姿が。

「あー蓮、それ以上は……」


『詳しく』


 先輩三人の声が重なる。いつの間にかあやめ先輩も来ていたらしい。

「今日はやめときます。二日連続でいじるというのも可哀想なんで」

『ブーブー』

 ホント仲いいなこの人達。


「蓮と煌の惚気話はどうでもいいんだよ!私はツンデレについて話してたんだよ!」

 惚気話じゃねぇんだけど。

「ツンデレっていったら、ヒロインの基本。物語に大抵一人は出てくる」

「あやめ先輩はそういう系色々知ってそうですね」

「うん、色々あるよ。クーデレ、ヤンデレとか」

「なにそれ!」


 この後、あやめ先輩による〇〇デレについての説明会が行われた。



ーーー・ーーー

 翌日。



「べ、別にアンタのことなんて待ってなかったんだから!」

「蘭先輩、それは昨日やりました」


「ねぇ、アタシだけを見て。それ以外のゴミなんて見る必要ないでしょ?」

「うるせぇゴミ」

「あ?」


「なんで蓮君は煌ちゃんにだけそんな態度なんですかまったく……なんか、特別視してるみたいで、ヤです」

「これは素晴らしい!」

『不公平だ!』



 この人達影響されやす過ぎだろ。部室に入るなり、こんなテンションの三人に絡まれっぱなしだ。

「あやめ先輩、これどう責任取ってくれるんですか」

「いやこれは私悪くなくね?」

「確かに」

「……私もなんかやろうか?」

「ホント勘弁してください。鎮圧の手伝いをしてくれればいいですから」


 結局この日はずっとこの調子だった。

 こんな奴らの対応を、ほぼ毎日しているラブコメ主人公まじやばくね。

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