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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第九十四話 体育祭開会式です



 グラウンドがいつもと違う雰囲気に埋め尽くされています。

 

 更衣室で着替えてから一度生徒会室に行き、生徒会とかかれた腕章を受け取りました。

 それを腕につけて、本部へと向かいます。

 

 放送部がすでに来ていて機材のセッティングをしていました。


「あ、おはようございます」

「おはようございます」

 

 前列が放送部、二列目が理事長や学園長などの席で一番後ろが私たちの席です。

 新聞部は隣のテントとなります。

 リアルタイムでネットに記事を更新するそうです。


 外部の観客を入れない為、毎年結構な数の閲覧があるとか。


 私は今日行われる種目が書かれた二枚綴りの紙をそれぞれの場所に置いて、クーラーボックスの中の飲み物をチェックします。

 静会長は応援団との最終チェックに行ったようです。


 芹先輩と修斗先輩は何を取りに行くと言っていましたし、真琴と真由ちゃんはお弁当の最終確認へと行っています。


 風紀委員は、グラウンドはもちろん人気ひとけのない校舎も見廻るそうで大変ですね。

 私が借り物競争の時に速水君がいてくれるといいのですけど。


 生徒会メンバーがそろった頃、全校生徒がグラウンドにやってきました。

 各学年クラスごとに場所があって、そちらにある外専用・・・椅子・・に座って行きます。


 理事長と学園長。それから校長も来て、いよいよ体育祭の始まりです。


 芹先輩と修斗先輩が赤い筒状のものを持って走って行ったので何事かと思っていたら、放送部がアナウンスをしました。


「理事長からの開会式の挨拶です」


 途端に、芹先輩と修斗先輩が持っていたものをだっと放り投げました。

 いえ、放り投げたとは違いました。

 それはくるくると転がっていきます。


 そう、それはレッドカーペッド!


 高い台に上がるための階段まで、そのレッドカーペッドは続いています。

 そこを黄色い悲鳴や理事長と声をかける生徒とたちに手を振りながら優雅に歩いていく理事長。

 晃先輩のお父さんですけど、若いです。高校生の息子がいるとは思えないくらい若く見えます。

 とっても不謹慎な話、奥様が晃先輩の幼いころに亡くなられていて、そのため独身。

 そんな理事長を狙っている生徒もいるとかいないとか。

 

 その光景をみて、私は前日の生徒会での会話がやっと理解できました。



 前日の会話はこうです。

「バラ? はあ? 花びらを撒けと? アホかあの親父」

 晃先輩が毒づきました。

「後片付け大変だから、断ろうかと思ってる」

 静先輩がため息まじりに言いました。

 この時点で私はいつの話なのかわからなかったのです。

「当たり前だ。結婚式じゃあるまいし」

「生徒会の女子の二人に花びらを撒かせて、残った一人にエスコートしてもらいたいとかなんとか言っていた」

「…。わかった、俺様が言っておくから、花びらは撒かなくていいしエスコートもしなくていい。ったく、最近やたらと三人の話をすると思ったら油断も隙もねぇな」

 そういって怒りながら晃先輩は帰って行ったのでした。



 なるほど、レッドカーペッドの話だったのですね。

 うん、断ってくれてありがとうございます静先輩、晃先輩。

 どの役でも結構な苦役だったかと思われます。


 

 壇上に上がった理事長が手を上げるとシンと静かになりました。

 カリスマ性があるんですよね。理事長って。


 なんて暢気に理事長のお話を聞いている暇はないんでした。

 先ほどメールが来ていたので確認しましたら、各クラスに用意されている「1-1」とか「3-2」とか書かれたパネルがあるのですが、そのパネルの脚にぶつかってしまって亀裂が入って倒れそうとのこと。

 応急処置のために私は倉庫へと走りました。


 伸びるタイプのガムテープを渡しに行って帰ってくるころには理事長のお話は終わっていました。

 

 次に学園長そして校長と続きます。

 学園長の話が長いので、生徒たちがざわめき始めました。

 そのかわりなのか、校長先生の挨拶が「快晴でよかったですね」で終わって、生徒全員から拍手喝采を浴びていました。


 テントに戻ってきた校長先生は満足げでしたので少し面白かったです。


 一番最初に行われるのは百メートル走ですね。




 テントの前を走るので楽しみです。



クリスマスのお話じゃなくてすみません。

季節外れのお話が続きますm(_ _)m

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