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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第八十六話 七不思議?



 学園祭の高揚も収まり、通常の授業に戻ってしばらくした頃。


「泉都門学園の七不思議?」


 オカルト研究会が発行した会報…ええ、実は定期的に発行しているのだそうです。その会報を貰ってしまいました。 


 何故かといいますと、つい先日オカルト研究会の方が私のクラスまで来まして。

 花時の文化祭について聞かせて欲しいと言われたのです。

 以前言っていた、真由ちゃんのクラスの方ですね。


 怖いからあまり覚えていないというと、花時の生徒会に紹介して欲しいと言われました。

 一応和香に連絡してみたところ動画などがあるそうで、オカルト研究会に送ってくれることになったのです。

 そのお礼の一つとして会報をいただきました。


 はい。

 実はお礼は一つだけではないのです。


 七不思議にかけたのかどうかは知りませんが、七つありました。


 一つ。先ほど言いました会報。

 二つ。オカルト研究会の特別部員。

 三つ。綺麗な色とりどりの石のブレスレット。

 四つ。真っ黒な小さな布で出来ているお守り。

 五つ。月の満ち欠けがわかるカレンダー。

 六つ。ダウジング用の水晶。

 七つ。箱入りの紅茶のティーバッグ。


 色々ツッコミ所はあるのですが、にこにこと笑顔で渡されたので、何も言わずに受け取りました。ちなみに特別部員としてカードをいただきました。このカードを部員に見せると部室内にいつでも入れるとの…ことです。

 特別に作られた着ボイスもくれると言ったのですが、女性の甲高い悲鳴だったので…これはお断りしました。


 そういうわけで、現在会報を開いて読もうとしているところです。

 目次に泉都門学園七不思議についてと書かれていました。

 それをのぞき込んだ芹先輩が冒頭のように言ったのです。


「聞いたことないねぇ。泉都門学園はそれなりに古い建物が多いから、有りそうだけど」

 首を傾げながら芹先輩が会報をのぞき込みました。

 壁にツタが絡むくらいですから、やはり年月は立っているのでしょう。

「静会長は知っていますか?」

「七不思議か? 聞いたことないな」

「貴雅先輩は?」

「うーん。無いね」

「修斗先輩は?」

「ない」

 おかしいですね。

 もし古くからあるなら、生徒会の耳に入ってもおかしくないと思うのですけど。

「晃先輩なら知っているでしょうか?」

「あぁ、理事長経由で聞いてるかもしれないな」


 後で聞いてみましょう。


 ぺらりと紙をめくると一つ目の不思議が、血が垂れるような字で書かれています。

「中等部の塔の鐘」

 中等部に塔なんてありましたでしょうか。

 中等部出身の皆さんを見ると、全員が首を傾げました。

「…皆さん知らないんですね。ともかく読んでみます。ええと、昔、中等部の校舎近くに授業を知らせる鐘が吊られた塔があった。今はもうなくなってしまっているが、とある日、とある時刻になると無くなったはずの鐘の音が聞こえる…だそうです」


 皆さんピンと来ていないようです。

 とある…ばかり言われても困りますよね。


 ただ、その当時の写真がきちんと載せられていて実際に有った場所などが地図に記されています。

 塔が古くなりもろくなったので、地震などのことを考え取り壊されたのだそうです。

 

「あぁ、この場所創始者の銅像があるところだ」

「あ、ほんとだ」


 泉都門学園の創始者の銅像が現在はたっているのですね。

「そんなとこありました?」

「うん。木に覆われてて見づらいとこにあるけど」

 何度も中等部に行きましたが気づきませんでした。

「その銅像、やたらと笑顔なんだよね」

「あぁ、そうだったね。学園の創始者で、満面の笑みの銅像はなかなかみない」



 何だかその満面の笑みというのを見てみたくなりました。今度中等部に行くことがあったら、見にいってみましょう。



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