第五十五話 二学期も忙しいです
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作者の心の支えです!
学園祭に体育祭。その後に中間テスト。
二年生は修学旅行がある二学期です!
体育祭と学園祭が修学旅行より先で良かったと思うほど忙しいです。
こんな忙しい時に、芹先輩と修斗先輩がいなかったら大変です。絶対倒れます。
「陽向ちゃーん。休憩していいよ」
どさっとソファに倒れ込みました。
職員室を行ったり来たりしたうえに、学園祭の各教室の使用許可の書類に不備があったクラスや部活のところへ赴き、訂正した書類をもらったり。中等部の生徒会に書類を届けたりで疲れました。
泉都門学園は中等部高等部大学部一斉に三日間学園祭を行います。
この日は特別バスが出るそうで、そのバスの時間の確認や立ち入り禁止区域の設定など諸々。
入り口に配備する人員増加。
無駄に広い…ゴホン。
とても広いので所々に案内所を作る相談。
学園祭特別HPの作成。
などなど。
まだまだ色々やらなくてはならない仕事が学園祭だけでもありまして。
体育祭の準備もありますし、てんてこ舞いの生徒会です。
「芹先輩」
「なあに?」
「さっき、また変な人に会いました」
「…同じ人?」
「はい。自動販売機の陰から出てきて、“いいかげん、お気づきになられてはいかがですの?”って言われました。何に気づけばいいんでしょうか」
一緒に行動していた修斗先輩が私の頭をポンポンと優しく叩いてくれました。
「言っただけで、走って逃げた」
追いかけようとした私を修斗先輩が止めまたんです。
「うん、別に追わなくても良いけど。修斗が居るときにも出てくるんだ?」
「いや、自分がいることに一瞬気づかなかったようだ」
「ふうん。陽向ちゃんだけロックオンってことかな」
訳が分からないことを言って走り去るので、何がしたいのかよく分からない人です。
制服から二年生であることは分かっていますが。
「修斗も休憩して。全員そろったら夕飯食べに行こうね」
そういえばお腹が空きました。
今現在、私と芹先輩と修斗先輩しかいません。
他の皆さんどこへ行ったのでしょうか。
ノックもなしにいきなりガチャっと大きな音がしてドアが開きました。
「よぉ、へたばってるな」
晃先輩です。
生徒会室の合い鍵を持っているので、いつでも勝手に入ってきます。
「晃先輩は、お元気そうで」
「まあな。一条、頼まれてたものだ」
晃先輩は芹先輩に封筒を渡しました。
中に固形物が入っているようです。
「あ、助かります」
「情報の方は、いつも通り一条のアドレスに送っといた」
「わかりました、後で見ます。それで理事長は何と?」
「未然に防ぐようにと」
「了解です」
会話が終わると、晃先輩はへたばっている私に視線を移しました。
「ずいぶん疲れてるな。体育祭が終わるまで毎日忙しいし遅くなることも多いだろうから自転車通学は止めろ。車を出すからな」
「いえ、自転車だとすぐですし」
「ふふん、お前のことだから、そう言うと思ったよ。学さんには話を通してある。明日から大人しく送迎されろ」
いつの間に父と連絡取ったんですか!?
しかもまた名前呼びになってます。
「目立つから嫌なんです…」
「朝早くに出ればいいだろう。これ以上拒否するようなら、俺様が毎日迎えにいくぞ」
「ううう、車で行きます」
「わかれば良い」
晃先輩と登校したら、車で登校するより悪目立ちするじゃないですか。
うなだれていると、修斗先輩が肩を優しく叩いてくれました。
本当、修斗先輩って優しいですよね。