第四十二話 納涼祭です(7)
それにしても、疲れました。
如月会長への挨拶ならまだしも、補佐の私に挨拶って意味が分かりませんよ。
「真由ちゃんと真琴はどこでしょう」
「あちこちで挨拶されてるんじゃないかな」
「私もあちこち行きたいんですが」
「どうする?」
如月会長が更科先輩と一条先輩に聞くように顔を交互に見ていました。
「挨拶が終わって少し落ち着いたと思うけど、でもボクはあんまりおすすめしないなあ」
「晃はどこに行ったんだ?」
「たぶん、新聞部に会いに」
「新聞部?」
「さっきの光景、写真に撮ってたはずだから」
「あぁ」
「和泉先輩は見てないから、それを見せてもらったら消去するつもりだとおもう」
「流出しないためにか?」
「それしかないでしょ。和泉先輩も意外と過保護」
「晃は、自分のものと認定したものが他の目にさらされるのが嫌なんだろ」
「いえ、私、和泉先輩のものじゃありませんよ!?」
「あれはリアルタイムで見てこそだったと思うが…見れなかった晃としたら仕方がないか」
「後で悔しがると思うな」
「先輩たち、私の話聞いてます?」
「新聞部は動画も撮っていたかと」
更科先輩が会長に言ったので、会長がメールで誰かに連絡していました。たぶん和泉先輩にだと思います。
「それはちょっと、見たいかも。綺麗に撮れてたら、保存したいな」
「晃に言って、持ってこさせよう」
「変なところで生徒会権限使わないでください」
「それ、僕も欲しいな」
どこからか大平会長が出てきました。
「む、俺も欲しい」
仙恵寺会長…ってなんで梅園会長までいるんですか。
「貴様等にはやらん」
「ずるいぞ如月!」
ホールの中を走り回る生徒会長たち…。
生徒の鑑であるべき会長がホールの中を走ってはいけませんよ!
それを止めるために走り回る他役員も巻き込んで、大変な騒ぎになっています。
こういう時に、まとめて叩けるハリセンがあったらなあと思ったりするのですが、私の腕力では扱いきれませんので、諦めましょう。
ところで、これ…交流になってるんでしょうか?
騒ぎに来ているだけのような気もします。
もしかして、日頃の鬱憤をはらすための場所じゃないですよね?
ね?