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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第四十一話 納涼祭です(6)

  


「そういえば、今年は浦地うらじ高校は来てないんだな」

「何かあったみたいでな。急に来れないと連絡があった」

 もう一校来る予定だったのですが、一週間前に来れないと連絡がありましたね。

「自粛ってことか?」

「知っていたのか? 多分そうだろうと思う」

「僕を除いてしゃべらないでくださいよー」

 大平会長が口を尖らせて文句を言っているのですが、二人にスルーされています。

「あぁ、友千鳥が来たからどけるぞ」

「えええ、まだ水崎さんと話をしてな…いひゃいっ」

 ずるずると引っ張って行かれた後、友千鳥の緋色の制服の面々が近づいて来ました。

 スゴい圧迫感。

 炎の狼が近づいて来るみたいです。

「はい、この線でストーップ」

 一条先輩が声高々に言いました。

「何だ、遠いじゃないか」

「文句いう人には会わせませんよ」

「……友千鳥生徒会だ。各自、自己紹介をしろ」

「会長は?」

「さっきした」

「わかりました」

 仙恵寺会長が横へどけると、四人の生徒が前に出ました。

「副会長、福田一騎ふくだいっき

「書記、沢大 光さわだいひかる

「会計、黄衣絽千織きいろちおり

「同じく会計、三葉雅威みつばがい

 みなさん目力がすごいです。

「会長、この小娘がいったい何だというんです?」

 小娘…高校生の口から小娘なんて言葉を聞くとは思いませんでした。

「お前ら気づかないのか?」

 そんなに全員で見つめられると怖いです。

 目力が半端ないので、目が泳いでしまいました。

「むっ、確かにただならぬ気配が…」

 何も…何も憑いてませんよ!

 私の後ろを見ないでください!

「ちょっと、挨拶終わったならどいてよね」

 友千鳥の後ろからツインテールの彼女が現れました。

「後ろがつっかえてるの分からない? あと二校あるんだから、時間使わないでよ。あっちいって」

 不服そうに友千鳥の生徒会がどけた後、松ヶ枝の生徒会が来ます。

 全校の挨拶受けるんですか?

 私…何様なんでしょう。

 何でこんなことになってるんですか、誰か教えてください。

「はい、ここで止まってくださーい」

「ちょっと、こんなに遠かったら会長の声届かないじゃないの」

「例外は認めませーん、それにさっき近くで挨拶してたから会長の挨拶は終わってるはずでーす」

「くっ、可愛い顔して融通がきかないわね」

「つっかえてるんでしょ、さっさと挨拶したら?」

「ぐっ」

 一条先輩がニヤリと笑います。

「松枝の生徒会よ。私は書記の有川 舞。こっちが副会長の橋野凛子はしのりんこ。会計の宝田大地たからだだいち。補佐の子がいるんだけど、風邪で来れなかったわ」

 あ、他の学校にも補佐ってあるんですね。ほっとしました。

「で、何で私たちは一年生の子に挨拶に来てるわけ?」

 有川さんが梅園会長をにらみつけています。

「え? 挨拶したかったから? 何それイミフ」

 梅園先輩が小さい声で言ったのでしょう。私のところまでは聞こえませんでした。

「はい、次がつかえてまーす」

「わかってるわよ!」

 書記の有川さんが会長みたいですよね。

 最後にきたのが花時の生徒会でした。

「わたくしたちは挨拶をすませてしまったので、残りの二人を。花時生徒会のメンバーです」

 柳宮会長と里塚さんと和香は後ろに下がっていました。

「書記の原 祐希はらゆうきです」

 原さんもパンツスタイルです。

 質問をしてきた眼鏡の先輩ですね。

「会計の剛堂恵里ごうどうえりです」

 あれ? 剛堂さんもパンツスタイル…。

「会長以外はパンツスタイルなんですか?」

「花時の会長は、見ての通りドレスみたいな服だろう? だから、周りの役員はそれを助けるために動きやすい服を心がけていたんだ。それが通例になってしまったと言う感じかな」

 里塚先輩が教えてくれました。

 なるほど。

「別に決まりってわけでもないからスカートでも良いんだけどね。他校へ行くときは色々あるから、こっちの方が楽なんだ」

 緊急時は柳宮先輩を抱えて走るそうです。

 緊急時って…抱えて走る状況が学校で起こるんですか?



 いえ、確かに私も抱えて走られたことはありますけれども



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