表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
40/203

第三十七話 納涼祭です(2)


「他の高校の子に抱きついたりしないように、今日は納涼祭が終わるまで側にいるからね。ですので、ええと先輩?」

「あぁ、私は里塚七海さとづかななみ

「里塚先輩は、心おきなく納涼祭を楽しんでください」

「そう?」

 どうやら里塚先輩が和香のストッパーみたいなので、今日だけでも楽をしてもらいたいです。

「生徒会長に抱きついたりしなかったでしょうね?」

「さすがにそこまでは無理。あの威厳ったらないでしょう。僕はかわいい系が好みだし」

 かわいい系だったら抱きついてたんですか?

「それより、真由ちゃん紹介してよー」

「…友達だから紹介はするけど、半径二メートルは近づかないように」

「ええええ」

「守らなかった場合、向こう一ヶ月メールの返事をしないどころか口もききませんよ」

「へこむーーーーっ」

 ガックリとその場に膝を付いてうなだれました。


「守れますよね? 和香」


「はっはいいいっ、守らせていただきますっ」

 その様子を見ていた里塚先輩は「あっはっはっは」とお腹を抱えて笑いました。

「いや、おもしろい。今日は色々楽しめそうだ」

 私の頭を撫でて里塚先輩はホールへと入って行きました。

「さ、私たちも行こう」

「うん」

 和香は立ち上がると、先に行こうとした私を引き留めて手を差し出しました。


「久しぶりに陽向をエスコートさせてよ」

「本当に久しぶりだね」


 和香の手の上に私の手を乗せます。

「姫。参りましょうか」

「はい若様」

 中学生の時はよくこうやって廊下を歩きました。

 二人で劇にでも出ているような感じで態と、姫と若と言って話したりしてました、黒歴史です。

 でも楽しかったんですよ。

 そんな時を思い出して、私たちはホールへと笑いながら入ったのでした。


 最後に入ったからでしょうか。

 何故かシンとなっていました。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ