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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第三十四話 夏休み前で忙しいです

今のところリクエストが少ないので

リクエストされたものは書こうと思います

お楽しみに!


 「もうすぐ夏休だー」と浮かれている生徒が増えてきました。

 生徒会は納涼祭の準備まっただ中で、てんてこ舞いですよ。

 ブラスバンドと曲目で打ち合わせしたり、落語研究部と演目を打ち合わせしたり。

 落研があるのに驚きましたね。

 演劇部は大会があるそうで、ダメでした。

 マジック研究部、略してマジ研はボランティアでいないそうです。本人たちがマジ研って言ってますからね。私が言ったわけではないのであしからず。


 泉都門学園は部員が三名で研究部が設立できるので、結構多いです。

 これは何だろうっていうのも沢山あります。

 囲碁・将棋部は最近人気らしいですよ。

 四月に部員が沢山集まったため部室の変更を要請してきましたから。

 

 最近申請があってできたのが『PB研究部』で昨今乱射的に売り出されるペットボトル飲料について研究する部だそうです。

 研究部にも少しは活動費がでるので、ただで手に入るからなのかと思っていましたら意外にも真面目に研究してました。

 ペットボトルの形から、ラベルの大きさデザイン。飲料の味、舌触り後味などなど。

 覗きに行って少し勉強になりました。

 帰りにミルクティーのペットボトルをもらいましたよ。

 ええと、別に餌付けされたわけじゃありませんからね。


 夏休み中の合宿のための宿舎の申請が結構あって、人数の確認やら食事の確認などで、忙しく。

 野球部やサッカー部などの体育会系の遠征の申請も数件ありました。

 こういうのって生徒会がやるものなんでしょうか? 忙しくて忙しくて、頭から煙が出そうな勢いです。

 終業式の日だって、忙しいのですぐに帰れませんでしたよ。

 終わったのが七時だったので学食で夕食を取ってから帰ることになりました。

 話す気力もなく全員がもくもくとご飯を食べているのです。

 あまりに静かなので着信音がいつもより大きく聞こえたくらいです。

 私の携帯だったので個室からでようとしましたら、ここで構わないと言われました。

 画面の名前を見ると「父」です。

「もしもし?」

 確か今日は華さんが晩ご飯を作りに来てくれているはず。龍矢さんも一緒にご飯を食べるんだと言っていたのですが、どうしたのでしょう。

『ひなたーーーー』

「どうしたんです、何かありましたか?」

『プリンがー』

『何くだらないことでかけてるの! あ、陽向? ごめんね忙しいのに』

 華さんが父から携帯をうばって話をし始めます。

「華さん、プリンって例のプリンですか」

『例のプリン。知らなかった龍矢が食べちゃって…』

 龍矢さんは甘いもの好きです。父はお酒が好きなくせに甘いものを食べる人なので、たまにこう言うことがあります。

 普段はこんなことで私に言う父ではないのですが。

「私の分、食べてもいいですからと伝えてください」

『ごめんね陽向、私も限定のだとは知らなくて龍矢に聞かれた時に食べて良いよって言っちゃって』

 ごそごそと音がして相手が変わりました。

『陽向か? すまん、知らないとはいえ…』

 龍矢さんがため息混じりに言いました。

「気にしないでください、もう少ししたら帰りますので。どこかお店によって自分のプリンを買っていきますから」

『陽向と食べたかったのにと部屋の隅に体育座りで呟いてるぞ』

「あぁ、本当に子供な父ですみません」

 父の言いたいことは分かりました。

 限定プリンが食べられたことで怒っているわけではなく、同じプリンを私と一緒に仲良く食べられなかったことが悲しかったのでしょう。

 年に何回かこういう風に子供みたいに駄々をこねるのです。

 これは帰りにプリンを二個買わないとだめですね。

 限定プリンは華さんに食べてもらいましょう。

『迎えに行こうか?』

「大丈夫です、今日から納涼祭までの間は…送迎がありますので」

『そうか、それじゃあとで』

「はい、それじゃ」

 帰ったらベッタリ抱きつかれること決定のようです。



 通話を切ると全員の視線がこちらを向いていました。



何だか陽向父がどんどんヘタレていくような……

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