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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第二十六話 もう大丈夫なんです



 次の日から毎日、登校すると生徒会役員の誰かが生徒玄関に必ず立っていました。 

 真琴か真由ちゃんじゃない時でも、三階の一組まで送ってくれるのです。

 放課後は真琴と真由ちゃんが必ず一緒に生徒会室に行ってくれましたし、真琴が一緒に行けない時は他の役員か和泉先輩が来てくれました。

 そうそう。宣言通り一年のフロアなのに和泉先輩が姿を現すことが多くなりました。

 あまり注目されたくないのですけれど、一年生からは毎日生徒会の誰かが見れるので歓迎されました。そして挨拶されることが多くなりました。

 私は平穏に暮らしたいのですが。



「水崎!」

 お昼に和泉先輩が迎えに来ました。

 一年生の廊下でキャァと黄色い悲鳴があがります。

 和泉先輩も人気があるんですねぇ。

「あぁ、腹が減った。水崎は今日何を食べる?」

「そうですね…」

 考えていると再び黄色い悲鳴が上がりました。

 階段を見ると会長です。

「ん、晃が来ていたのか」

「ああ、一緒に学食行こうぜ」

 会長と和泉先輩に挟まれると、捕らえられた宇宙人な気分です。ええとあの写真みたことありますか? 無いなら、ええ検索してください。

 二人とも背が高いんです。

 会長とぶつかった時も私の顔が胸の辺りでしたから、二人の顔を見ようと思ったら首が痛いですよ。


 そのままガードされるように生徒会専用の個室へと向かいました。

 真琴と真由ちゃんが笑いながら後ろを付いてきています。

 あの事件|(?)以来、個室前に陣取っている先輩方を見なくなりましたね。

 逆に男子が座ることが多いような気がします。

 今日はAランチを食べることにしてお願いすると、緑色のプリンが付いていました。

「あの、このプリン…」

「あぁ、試作品の抹茶プリンですよ。オマケですから食べてみてください。あとで感想聞かせてくださいね」

「は、はぁ。わかりました」

 他の役員のトレーには見あたりませんが、良いのでしょうか?

 感想としましては、ほろ苦さがツボでした。黒蜜が苦手なので自由にかけられるようにとお願いをして、学食を出ることになったのですが。

 やはりといいますか、教室まで、今度は一条先輩と更科先輩に送られました。

 ですから、目立ちたくないんですってば。

 と申し上げたところ。


「え、今更? だって学食であれだけ啖呵を切って、もう君を知らない生徒はいないってくらいだよ? 今では生徒会の中で陽向ちゃんが一番話題の有名人だね」


 自分の浅はかさにガックリします。


 ちなみに、あの時の制服は綺麗になって戻ってきました。

 泥水を被った後何時間もあのままだったので、落ちないんじゃないかなと思っていたのですが、新品同様でした。

 もしかしたら新品だったのかもしれません。



 そこは何も言わず、お礼だけ言って受け取りました。



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