第二十三話 ある意味戦闘開始です
嫌がらせの表現がありますので、ご注意ください
「そういえば、陽向ちゃん。ちょっと小耳に挟んだんだけど。自転車のタイヤに釘が刺さってたって本当?」
「あぁ、はい。そりゃもう、偶然刺さったとは思えないほどグッサリと。でもパンクしないタイヤなので大丈夫ですよ、抜いてしまえばいつも通りです。どこから釘を持ってきたかの方が不思議ですけどね」
そういう対処はしてあるのです。
サドルが盗まれないようの対策もしてあります。
「黒板消しの話は?」
「あぁ。今時ドアに黒板消しを挟む人がいるとは思いませんでしたよ。ちょっと見上げればすぐ分かることです。真琴に黒板消しを取ってもらいました。私だと届かないので。でもあれだと真琴の頭に落ちる可能性だってあるのに、すごい勇気ですよね」
生徒会役員はホームルームが始まる時間ぎりぎりまで生徒会室にいることが多いので、一組の教室に最後に入ってくる生徒は私か真琴ということになります。
まぁ引っかかるつもりは一切ないので、意味がありませんよ。
「どこまでやるのかなと思ってます」
「エスカレートする前に止めた方が良くないか?」
会長が心配そうに言います。
「今、言っても多分無駄だと思いますよ。ま、様子見です」
すぐにやってきた親子丼を冷めないうちに食べましょう。
「見つけたら注意しておくけど」
「それがですね。それは拍車をかける要因にしかならないのですよ」
先輩たちはため息をつきました。
そう。
今までの経験上、好きな人に止められた鬱憤はこちらへ来るのです。
どちらにせよ、加速するだけなので傍観していただきたい。
「さすがに怪我する前に、何とかするつもりではありますけどね」
「おいおい」
「会長。言いましたよね、生徒会に入りたくないですって。無理矢理引き入れたんですから、最後までお付き合いくださいね」
そもそも、私が生徒会に入らなければ起こらないであろう事です
お姉さま方のような事が無いことを祈ります。
そして、私は恐れをなして生徒会を辞めたと思われることは嫌なのです。全力でもって回避させていただきます。損な性格ですよね。
「何かあったら、ボクらを呼んでね。緊急なら、修斗がいいかな」
「更科先輩ですか?」
「うん、そう」
「わかりました」
「陽向…」
「分かってるよ、真琴。無茶はしない。回避に向けて色々やってるから。早いうちに終息させるつもりだし」
いきなりやめなさいと言ったところで終わらないのが嫌がらせです。
嫌がらせのうちに終息させたいところですね。
お姉さま方というのは、陽向の父に懸想していた方々のことです