第二十二話 日常が変わります
朝。
生徒会室へ行って真琴と真由ちゃんと落ち合ってから教室へ行くようになりました。
今更ですが二人とも制服が似合っています。
三人で歩いていると視線がスゴいです。
鋭い視線なんかもちらほらありました。
これは臨戦態勢をとらないとだめでしょうか。
お昼休みに色々と考えながら真琴と真由ちゃんが並んで歩く後ろを歩いていると、いきなり後ろから抱きつかれました。
腕の力が緩かったので、しゃがんでその腕から逃げた後、斜めに前転して起きあがった後かまえました。
「あれ、東雲先輩?」
周りの人が驚いた顔で私を見ています。
「すみません、何かされてからだと遅いと思ったので・・・東雲先輩だとは思いませんでした。いきなり抱きつくとかやめてください」
「あ、ああ。えっとごめん。これからお昼なら一緒に行こうか」
そういえば生徒会専用の場所があるのでしたか。
肩を抱かれそうになったので軽く叩いておいて、そのまま個室に四人で向かいました。
例の個室前のテーブルに陣取っている女子に睨まれましたが、そしらぬ振りをして中へと入ります。
すでに他のメンバーは揃っていましたが、さすがに生徒会の個室なので風紀委員長は来ていないようです。
と思ったらとっくに食べ終わって見回りに行ったと聞かされました。
生徒会役員じゃないのに?
「暗黙の了解というか」
「はぁ?」
「晃は学園長の息子なんだよ」
「はぁ、なるほど」
それで俺様ですか。ははぁ。
「和泉先輩が生徒会長になれば良かったんじゃないですかって聞いたことあるけど、めんどくさいから良いんだって」
「それで風紀委員長は勤めちゃうあたりが、よく分からないけど」
一条先輩がクスクス笑う前で東雲先輩が肩をすくめました。
「ところで、何食べる?」
「私は親子丼にします」
「ぼくは、うーん讃岐うどんにしようかな」
真琴が少し悩んだ後言いました。
「僕はカレーだね。カレーが僕を呼んでいる」
「何ですか、それ」
「時々ない? 無性に食べたくなること」
東雲先輩は涼しげに笑いながら、頬杖をつきました。
確かに食べたくなるときありますけど。
「カレーは良いですけど、何故こっちに座るんですか。テーブルは二つあるんですから、会長が居る方に行ったらどうです?」
「それはやっぱり女の子と食べた方がおいしいからだよ」
「味は変わらないと思いますけど」
「全然違うよ。僕は」
「はいはい、そうですか。真由ちゃんは何食べる?」
「これ」
真由ちゃんが指したのは、リゾットでした。
お米系が好きなのでしょうか。
生徒会専用個室は、さすがに専用なだけあって料理が出てくる場所も個室内だったり、精算も個室内でできるようになってます。本当かどうかはわかりませんが、他の料理より優先的に出てくるらしいです。遮断されているので、確かめられないんですけどね。
そこまで優先じゃなくてもいいような気がしますが、生徒会はそれなりに忙しいので、昼食を取った後も仕事ができるように優先されるみたいです。