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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第二話 受験はがんばっても緊張しますよね

ほぼ説明となります。

 


 そういうわけで、私は泉都門学園高等部を受験することになりました。



 この学園の名前を言いますと、10人に3人は「セント・モン」学園と勘違いします。

 受験する前は、どうしてなのか分らなかったのですが、学園を見て納得しました。


 何しろ荘厳なのです。


 これ本当に学園ですか? それ以上にここは日本ですか? と聞きたくなるような建物でした。

 宗教系の学校でもないのに学園校門の両側に佇む天使像を見たら、確かにセント・モンと勘違いしてもおかしくないような雰囲気です。

 敷地も中等部から大学部までありますから、相当な広さでしょう。

 街のように感じたのは私だけでしょうか。広すぎるために、学園内をバスが走っていました。

 他校から来た生徒やお客様を招く時は専用の車が出るそうです。

 受験生は校門でそれぞれ受験票を確認したうえ、手の甲に見えないバーコードのようなものを押されました。手を洗っても明日か明後日にならないと消えないそうです。

 そうして専用バスで受験する建物へと移動しました。

 なんと受験専用の建物なんだそうです。

 そこで荷物を手の甲のバーコード認証で預けて、ようやく室内に入りました。

 筆記用具は学園側が用意するといった念の入り用です。 

 こういうことは事前に知らされてはいましたが、実際に目の当たりにすると驚いてしまいました。

 後で聞いた話ですが、昔はニセの受験生が入り込んだこともあったそうで、セキュリティーに重きを置いている学園(名のある家の子女が入学されているため)なので、こうなってしまったのだとか。

 このあたりで多少嫌な予感があったのですが、一般家庭の生徒も多くいるとの事でしたので頭の隅に追いやって受験に集中しました。


 一日で全ての工程を終えるために午前と午後の試験がありましたが昼食の持ち込みは不可で、受験棟の一階にあるビュッフェで食事を取るようにいわれました。


 ビュッフェですよ、ビュッフェ。

 受験にしか使わない建物にビュッフェ。


 軽いめまいを覚えながらの食事です。

 外の空気を吸いたい気分ではありましたが受験棟から出ることは禁止されていました。

 不満を漏らしている受験生もいましたが、私はここから出て戻ってこれる自信がありませんので、素直にしたがいます。

 午後になると多少の余裕ができまして午後一番の試験が終わった後に、あたりを見回してみました。

 確かに男子の数が少ないです。

 これだけ女子が多いのですから「うっひょーハーレム!」と喜んで、もっと男子が受験しそうだと思うのですが。

 あ、ちなみにこのセリフを言ったのは中学で同じクラスだった人が入学式に言ったものです。女子中学生ですからね…念のため。


 全ての受験が終わると荷物を返されて専用バスで校門まで送られました。

 合格発表は、ネット上のみ。

 校内や校門での発表はないそうです。

 受験者専用ページがパスワード付きでありまして、自分のみの合否も確認できる仕組みでした。



≪合格≫



 という文字と桜のイラスト(後に知りましたが、このイラストというか絵画は卒業生が描いたものでした)が現れました。

 一緒にPCの画面を見ていた父と華さんが拍手をしてくれて、とても嬉しかったです。

 そんなこんなで入学することになったわけですが、やっぱり公立の方が良かったのではないかと妙な不安を抱えつつ、その日を待っていたのでした。



次は漸く入学です。

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