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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第百五十六話 色々な交流です



 北海道から連絡が来ました。

 内容は春休みに泉都門に来るとのこと。


「は?」

「学園側にも正式に連絡が来ているし、向こうの学校からも許可が出てるみたい。泉都門には宿泊施設があるから困らないし」

 家族などが来たときや学園のお客様が来たときに泊まる結構大きな宿泊施設が泉都門にはあります。

 もちろんタダというわけではありませんが、ホテルに泊まるよりは破格の値段です。

「ほぼ、ご飯代だよね」

「何名いらっしゃるんですか」

「えーとね、三名だね。会長に副会長、それから補佐。へー、補佐がいるんだね」

 その横に書いてある名前に驚きました。

「江本君!?」

 江本君は生徒会に入っているなんて聞いてませんよ。

「夏休みに僕らが北海道に行くことになったんだ」

「はぁ」

「生徒会としての交流だからね」

「分かってますけど。誰が行くんですか」

「今年の納涼祭はうちじゃないし、時間もあるから会長自ら行っても大丈夫かなと思っているんだ。後はもちろん副会長。もう一人は希望をとる?」

「いえいえ、こういう時副会長ってお留守番的な!」

「向こうの副会長も来るじゃない。それに休み中だから大丈夫だよ」

「修斗先輩は?」

「うーん、だめって言っても着いてくるから人数に入れなくても」

「いえ、そこは入れてください」

「修斗、護衛だし」

「生徒会会計ですよね!?」

「陽向ちゃんってさ意外と修斗に甘くない?」

「修斗先輩にはいつも助けられてますから」

 僕も助けてるんだけどなと芹先輩が呟いて口をとがらせました。

「今年は白坂との交流が三十年になる年ですし、友千鳥とも確か十五年ですよね」

「そうだねぇ。今年も結局忙しいかぁ」

「新学期までには決めておいた方が良いのでは?」

「そうだね、連絡しておこうか。納涼祭とは別にしないといけないし」

「そういえば、静先輩たちの代の会長の集まりってまだやっているのでしょうか」

「あぁ、何だか定期的に集まってるってきいたよ。この前僕も呼ばれたし」

「え」


 その時生徒会室のドアが開きました。

「ただいまー」

「あ、お帰り、真由ちゃん」

「陽向疲れた」

 ソファに座っていた私の背後から抱きついて真由ちゃんは「うにゅぅ」と変わった声を出しました。

「お茶を淹れるね、座って」

「うん」

 現在生徒会は卒業式に向けて色々と忙しいのです。

 私も休憩が終わったら放送室へ行く予定があります。

 真琴は修斗先輩と中等部へと行っています。

 そうなんです。

 真由ちゃん一人で行動できるようになったのです。

 最初は何度も途中で帰ってきたりしていたのですが、最近は積極的に校内を歩いています。

 まだ学園外では怖いらしいですけど。

「来賓の方の名簿です」

 真由ちゃんが芹先輩に渡しています。

「遅いよねぇ。メールで送ってくればこっちの手間も省けるのに」

 真由ちゃんには職員室へ来賓の名簿の催促に行ってもらっていました。

「司会進行は先生方にしてもらうけど、それでも生徒会の仕事はあるからね」

 送辞は時期会長である芹先輩で、答辞は静先輩となるそうです。

「学年一位の晃先輩にって話もあったみたいだけど、晃先輩はきっぱり断ったって」

 壇上にあがることに慣れてる奴がやればいいと言っていたとか。

「晃先輩らしいといいますか」

 お茶を注いだカップをテーブルにおいて、芹先輩のカップにもおかわりを淹れます。

「はぁ…おいしい」

 真由ちゃんがニッコリと笑いました。

「それにしても、真由ちゃんずいぶんと待たされたのね。生徒会室を出て行ってからだいぶたってる」


「うん。卒業生が来てた」



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