第十五話 我慢の限界です
「いいですか? 先ほどから言っていますように。私は生徒会には入りません!」
「本人もそう言ってるし、ここはやはり風紀委員に・・・」
「風紀委員にも入りません!」
「えー! 陽向ちゃん、お願いだよ。生徒会に入って」
「可愛く言っても入りません!」
「陽向ちゃんしかいないんだよー」
「他にもたくさん、います!」
「条件に合うのは水崎だけだ」
「条件?」
「あ、そうだ。大事なこと言い忘れてたんだけどね。書記と会計って必ず二人なんだけど。会計に飯塚真琴、書記に飯塚真由が入ることになってるから」
「えっ、二人が!?」
「そう。それでね、二人は陽向ちゃんが入るならっていう条件で生徒会に入ってくれるの」
「私の意志を先に聞いてください!!」
「それじゃ、陽向ちゃんが生徒会に入りたくない理由を聞いていい?」
「面倒ごとに巻き込まれたくないだけです」
「生徒会の仕事が?」
「モテる人の近くにいることが、です!」
先輩たちはそれぞれ顔を見合わせました。
「先輩たちが悪くないのは分かっています。自分でやっかいごとをまき散らしている人は除きますが」
更科先輩がクスリと笑いました。
「生徒会に入ってくれれば、ボクらは君を守るよ?」
一条先輩の言葉に私は思わず鼻で笑ってしまいました。
「甘い! 甘いですよ先輩。そんなんで、しおらしく『はい』なんていうほど私はバカじゃありません。一人の人間の守れる範囲なんて高がしれてますからね。私は平穏に学園生活を過ごしたいんです!」
「陽向ちゃん・・・、いったい今まで君に何があったの?」
「聞きますか?」
私は、その勢いに乗って昔話を始めることになったのでした。
壊れ始めてます。