第百三十八話 キラキラです
デザインを見せてもらってから二週間ちょっとたちまして。
もうすぐ二学期の終業式と言う頃。
マンガ研究会から連絡がきました。
最後に見せてもらったのは黒一色で描かれた私たちのイラスト。
そうなんです。
デフォルメしてキャラクターのように私たち生徒会を描いてくれたのです。きちんと校章も入っていて、すごかったのですが色付けはまだということで、楽しみにしていました。
さっそく部室棟に行きますと、ドアを開けて待っていてくれました。
「あ、来た来た」
「こんにちは」
「こんにちは、さ、入って入って」
中へ入ってテーブルに並べられた物を見て私は絶句しました。
ま、まぶしい。
「どう? すごいでしょう」
部長さんが私の反応を満足げに見ています。
「す、凄いです」
全種類キラキラで、しかも全部が違う色でした。
静先輩がレッド、貴雅先輩がオレンジ。
芹先輩がイエローで修斗先輩がグリーン。
真琴がブルーで、真由ちゃんがインディゴ。
最後にパープルが私でした。
虹色になっているんですね!
「丁度七人だからさ、虹にしようってことになって」
裏面に校章と何期かというのが入っています。
しかもそれぞれの色で高等部の大門も描かれていました。
「水崎さんのは半田が色を付けたんだよ」
「そうなんですか。グラデーションがとっても綺麗で素敵です。ありがとうございます」
「が、ががが頑張りました」
さらにさらに。
しおりにもう一枚リボンで繋がった小さめのしおりがついていまして。
そこに七人全員が描かれていたのでした。
「そっちは描いたやつをスキャニングして並べて印刷しただけだからね」
それでもすごいですよ。
「想像以上でした…有り難うございます。大事にしますね」
「喜んでもらえて嬉しいよ」
早く持って帰って皆さんに見せたいです。
某CMではありませんが、これはお値段以上ですよ!
一枚一枚透明なフィルムみたいな入れ物に入れてくれて、さらにそれを封筒に入れてくれました。
「また何かあったら来てよね」
部長が言うと。
「何もなくても、ぜひ遊びに来てください」
半田君が興奮気味に言いました。
「は、はい。ありがとうございます」
驚きながら言うと、半田君は真っ赤になって後ろへ下がってしまいました。
また手を振って見送ってくれて、階段前で手を振り返すと階段を下りて部室棟を出ました。
生徒会室に戻ってさっそく、しおりを見せたところ。
「わぁぁ」
「すごい」
「きれい」
わっと全員が声が出したので一気に騒がしくなりました。
「虹か」
静先輩がそう言って、ふっと微笑みます。
「良いね、気に入ったよ」
貴雅先輩が二つのイラストを見て頷きながら言いました。
全員が生徒会の制服姿ですからね。
写真も良いものですが、こういうのも思い出になっていいですね。
全員が気に入ったことを漫画研究会のアドレスへメールをしておきましょう。
なんだか、見せびらかしたくなるくらい素敵なしおりです。
父に見せたらなんというでしょう。
欲しいって駄々をこねそうな気もします。
少し早いクリスマスプレゼントをもらったようで、心がほんわかしました。
作中では十二月で、クリスマス前となっております。