第十四話 断固拒否します!
私は和泉先輩の手を振り払って、目の前の生徒会長を睨みました。
「何言ってるんですか? そもそも生徒会長の補佐のために副会長があるんですよね? 意味がわかりません!」
「副会長補佐でもいいよ? ボクはその方が嬉しいかも」
「だから補佐なんていう役職はないんですって!」
「もう一人の会計と書記は決定しているしな。他の仕事といったら作るしかない」
「いえいえいえ、ですから作らなくてもいいです」
「会計監査とかはどうです?」
「おお、東雲。いいとこついてくるな」
「残念、会計監査は第三者委員会によって作られるから、ボクたちが任命できない役職です」
「ちっ、だったら他にないか」
「どんな役職であろうとも、私は生徒会には入りませんからね!」
「これは決定だから、覆すことはできない」
「役職も決まってないのに決定はおかしいでしょう!?」
「風紀委員にくれ」
「それは却下。会計を二人にする?」
「俺は会長補佐にほしい」
「ふうん、ボクでは力不足だと?」
「い、いや。そういう意味ではない」
「私の話聞いています!?」
「風紀委員はいくら居ても大丈夫だ。なんなら副委員長にしてもいい」
「だから、それは却下! ボクの話聞いてた? 和泉先輩」
「一条先輩は私の話を聞いてください!!」
「良い案だと思うんだがな。まぁ、仕方ない。それなら水崎、お前俺様の女になれ」
「雑用」
「修斗、それ役職じゃないよ」
「私の話を聞けええええええええええええええええええっ!!!!」
再び私の肩を引き寄せようとした和泉先輩の手を払って、私は立ち上がり久しぶりに大きな声を出しました。