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私は急に止まれない。  作者: 桜 夜幾
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第百十二話 疑うということも疲れます

すみません、今回も短いです。



 生徒会や外部の方の調べにより、ハッキングされたわけではないことがわかりました。

 少しだけホッとします。

 ではどうやって入ってきたのかということです。

 生徒全員の手帳は確認されたはずです。

 教師や職員のIDも確認されました。 


 オークションに出された生徒手帳も回収することができましたのでホッと一安心だったのですが。

 生徒手帳を買った方にはアリバイがありました。

 その手帳で泉都門に入れないことは売った方から聞かされていたようです。

 しかし泉都門の生徒を名乗って合コンに参加していたようでした。

 そんなことに使うために、あの値段で買ったのですか? と呆れる以外になにがありましょう。

「泉都門の学生で、特に寮生だとモテるらしいからな」

 晃先輩がため息混じりに言って、回収した生徒手帳を見せてくれました。

 人物の特定をする写真とIDの部分はなく、本当に手帳だけでしかないものです。

 そこまでしてモテたいんですか?

 どうせバレるでしょうに。

 どちらにせよ、彼の無実は証明されたようですが。

「門を通過した時には気づかれずに、内部に入って認証システムに引っかかったようだ」

 そんなことありえるのでしょうか。

「認証システムって顔のですよね?」

「顔や耳などだな」

「門には守衛さんもいますし、騙せるものなんでしょうか」

 泉都門学園の守衛さんは顔を覚えるのも仕事のうちらしく、名前も覚えている方も結構います。


「ひとつ考えられるとしたら、トラックかな」

「トラック?」

「泉都門にはいろんなものが届くし。運転手さんや一緒に来る人の登録はしてあるんだけどね」

 以前うっかり登録せずに入ろうとした方がいたそうで、その方は門前で待たされたそうです。

「門を通ったってことは、中に隠れてたか、隠したか…だよね」

「はぁ…一から洗い直しか」

 晃先輩が深いため息をついてソファにどっかりと座りました。

 お疲れですよねえ。

「信頼の問題なんだけどね。こうなると、載せて入った会社がわかったら取引中止になるね」

「知らなかったとしても?」

「そうだね。管理を怠ったってことだから」

 厳しいですね。

 でも、不審者が入ってばかりだと困りますもんね。

「疑うのも疲れる」

「早く終わらせたいけどね。なかなかそうもいかないから」

 芹先輩がソファにごろんと横になりました、珍しいです。

 慌ててコーヒーを淹れると、ため息をつきつつ飲んでいました。

 後どれくらいかかるのでしょうか。

 それでなくとも風紀委員は普段から忙しいでしょうし、芹先輩たちも解決しないまま修学旅行に行きたくないですよね。



 全員が深いため息をついた時でした。


 勢いよくドアが開いて。

 貴雅先輩が慌てたように入ってきたのです。



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