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憧れのタワマン内覧に行ってみた!

作者: ブタも煽てりゃタワマンノボル

場面

タワーマンションの一室


登場人物

営業担当者 不動産会社の営業担当

客 素敵なタワマンに住みたいと思っている客

その他諸々



営業担当者

「本日はスカイレジデンスにお越し下さりありがとうございます」


「ほほー、なかなかいい眺めだね」


営業担当者

「そうでしょう。タワーマンションなんて時代遅れ、これからは宇宙の時代です!なんせここは200階ですからね!成層圏、ほぼ宇宙と言っていいでしょう」


「はー、さすがだね」


営業担当者

「できた当初は窓が割れてどこかに吸い込まれて行ったお客様もいたようですが、今では大丈夫!安心して生活していただけます!」


(あ!窓の外にUFOにしがみつく人が……)


 営業担当者 窓のブラインドをさっと閉める


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!」


「え?」


営業担当者

「お部屋も広いでしょう。お友達を呼んでちょっとしたパーティーもできますよ。たこ焼きパーティーとかどうです?」


「うん、楽しそう」


営業担当者

「カウンターキッチンもおしゃれでしょう」


「お、いいねえ。酒を飲みながらつまみを作ったりできそうだ。……ん?」


 客の視線の先、カウンターの向こうに人間の身長と同じくらいの背丈のイカやタコにそっくりな謎の生物がいる。


謎の生物

「パピプペペペペ!!!タコヤキイカヤキハンタイぺぺぺぺ!!!」


 営業担当者、謎の生物を無理やり勝手口から押し出す。


「今のは?」


営業担当者

「なんのことです?」


 何もなかったかのように振る舞う営業担当者。


「でもなー。こんなに高い階だと通勤の時大変そうだよな」


営業担当者

「ご安心ください。こちらのエレベーターは超スーパーエクストリーム高速エレベーターなので秒で地上に着きますよ」


「それはすごい!」


営業担当者 小声で

「ただしペシャンコになるんですよねー」


「なんて?今なんて言った?」


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!」


「ええー」


 自信満々な営業担当者に対し客は不安そうな顔。


営業担当者

「さ、次はお風呂にご案内します。どうぞどうぞ」


 風呂場に案内される客。


営業担当者

「見てください!この広い窓」


「これはすごい!バスタブも大きいなあ」


営業担当者

「ゆったり寛げるサイズです。輝く宇宙を眺めながらリラックスタイムはいかがでしょう」


「これはいいな」


営業担当者 小声で

「ただし沸点が低いからお湯出ないんですよねー」


「え?」


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!」


営業担当者

「さ、次行きましょう、次」


 釈然としない顔をしながら営業担当者に付いていく客。


営業担当者

「こちらが寝室でーす」


「あ、ここにも大きな窓がある」


営業担当者

「はい!朝日を浴びながら気持ちよく目覚められますよ」


「清々しい朝だな」


営業担当者 小声で

「紫外線たっぷりですけどねー」


「えええ?!」


営業担当者

「これあげまーす!」


 そう言いながら日焼け止めを客に渡す。客、こんなの渡されてもと困り顔。


「いやでもさ、こんなに高いと万が一停電したら大変でしょ」


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!」


「それに水が止まったら下から運ばなきゃでしょ?」


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!」


「それに宇宙人が攻めて来たら」


 先ほどのイカタコ謎生物が再び窓に張り付くように現れ何か怒っている様子。営業担当者は何もいないかのようにブラインドを閉める。


営業担当者

「大丈夫です、根性があれば!昼のたこ焼き美味しかったなぁ」


「あんたのせいか!」


営業担当者

「え?」


 とぼけ顔する営業担当者の顔を見て何かに気がつく客。


「歯に青海苔!」


 営業担当者気まずそうに鏡を見て青海苔を拭き取り、その手で何やら書類を取り出す。客、嫌そうな顔。


営業担当者

「そんなわけで、こーんな素敵なマンションですからご契約頂けますよね?ね!ね!」


 契約書を持って客に迫る営業担当者


「いやいや不安しかないのだけど」


営業担当者

「いやいやいや」


「いやいやいや」


 営業担当者と客が契約書を押したり返したり繰り返す。


「大事なことなので一度持ち帰らせて貰いますよ」


営業担当者

「ここに判子をポンッと押すだけですから。ね!ね!ね!」


「とにかく今日は帰ります!」


 営業担当者、急に悪い顔になり声色も変えて。


営業担当者

「グヘッヘッヘッヘ、契約書に判子を貰うまでエレベーターは止めさせて貰ったぜえ」


「なんだと?!」


営業担当者

「グヘッヘッヘッヘ、帰りたくばここに判子を押すしかないのだっ」


「なんだとー!」


 一瞬悔しげな顔になってみせた後真顔になり。


「いや階段で帰る、根性でな!」


 崩れ落ちる営業担当者。部屋から出て階段を下りる動作で帰っていく客。暗転。


おしまい

台本を書いたことがない素人ですがコント仕立てにしてみました。イイネ等反応頂けると嬉しいです。

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