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なろうラジオ大賞5

コスモスの双子

作者: 香居


 あたしたちは双子の小学生。ご近所さんからは「コスモスちゃんたち」って呼ばれてる。赤ちゃんの時から、ママがリュックに布のコスモスをつけてくれてるから。

 お兄ちゃんは黄色いコスモス。あたしは赤いコスモス。それぞれの誕生花なんだって。

 ママは、


「日付をまたいで生まれてくれたから、同じお花にならなくて良かったわ」


 って笑ってた。

 大きくなったらわかんないけど、今はそっくりだもんね。

 お兄ちゃんもあたしもショートヘアで、背もおんなじくらい。服もおそろい。お兄ちゃんたちと遊ぶのに、スカートだと膝すりむいたりするから。ママも服買うの楽で良いんじゃないかなって思ってたら、


「可愛い顔に産んだから、もっとオシャレさせてあげたいけど……お年頃になった時の楽しみにしようかしら」


 って、困ったみたいに笑ってた。

 あたし、クラスの子のたちみたいに、オシャレに興味ないからなぁ……お兄ちゃんたちと野球とかバスケとかしてるほうが楽しいし。

 ママの言う「お年頃」になったら、興味が出てきたりするのかな……?



「湊ーっ! 次だぞー!」

「オッケー!」


 あたしはヘルメットをかぶって、バッターボックスに立った。振りかぶる……と見せかけて、バント!


朝陽(あさひ)、回れ! 回れ!」


 チームメイトが、腕を振り回す。

 あたしの作戦は通じたみたいで、お兄ちゃんは一塁から三塁まで見事に走り抜けた。


「「よっしゃーっ!」」


 チームメイトたちが飛び跳ねて喜んでる。あたしはアウトになったけど、点数につながればオッケーだよね。

 お兄ちゃんを見たら、サンキューって感じで、ニッて笑った。あたしも、こっちこそありがとーの代わりに、ニッて返した。


 テレパシーみたいに通じるこの瞬間が楽しいから、当分このまんまが良いなぁ。

 って思ったら、ランドセルについてるあたしたちのコスモスが風に揺れてた。



使用キーワード『コスモス』


黄色のコスモス:10月5日の誕生花

赤色のコスモス:10月6日の誕生花


   ──────────


早速お読みいただき、ありがとうございます。

評価やいいねなどにも、感謝申し上げます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛いお話です。イキイキとした双子の様子が伝わりました。
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