新たな景色
眩しい、どこだよここ、アマンはどこだ?
「お前の中にいるんだ、お前が共有と言ったのだろう。」
どうやら本当に生き返らせたらしい、悪魔は気分屋なのだろう。
「そういやぁ、入れ替わるのってどうやるんだ?」
疑問を問いかけると、はぁーと大きくため息をつくアマン。
「何も考えずに渡すとは間抜けなやつだ、俺は目的のために行動してくれれば、それでいいが俺の目的を達成する気がないのなら、強制的に入れ替わる。」
やはり、優しい悪魔なのだろう強制的に奪えるのなら最初からすれば良いのだが、何かと気を遣ってくれているようだ。
「わかったよ、どうせ1回死んでんだから好きに生きようと思ってたしな。ちなみに、ここはなんの世界なんだ?」
復活したにはいいものの分からないことが沢山あるから悪魔に問いかけるのも仕方がないと思う。
「ここは俺の目的を達成できる場所だ。お前のいた人間世界と違うのは魔法があると言うことぐらいだろう。」
なんともありがちな展開になってきた。だが漫画の世界でしか味わえないのを自分ができるのはワクワクするものである。
「しかし、そんなことを知ったって何すればいいんだよ。」
寝床がなければ行動は難しくなると思ったからでの疑問だったが悪魔には関係ないのか素朴な回答が返ってきた。
「そこらで寝たら良いのではないか、食べ物など森に山ほどあるだろう。」
なんとも身勝手なやつだこんな森で復活させておいて自分は何もしないとはやはり気分屋だ。
「とりあえず、ここらを探索するか、何か見つかるかもしれない。」
今は、生きることを最優先に考える2度死ぬのはごめんである。しかし、これからどうすれば良いかわからない。悪魔には目的があるが俺にはない、何か見つけなければならないな。そんなことを考えていると何やら人が歩いてきた。
「おい、あの人間共を捉えて物資を調達するぞ。」
厄介なやつだ、一般人を襲おうとするとは。仕方ない見つかって人と関わるのは面倒くさいもう少し奥に行こう。
[その時]
「きゃー」
さっきの方向から悲鳴が聞こえた。その方向を見ると竜人と呼ぶべきだろうか。竜人の群れが現れた。
「へへ、そこの女、大人しく持っているものを置いていけば何も危害は加えないと約束するよ」
なんとも怪しげな連中だ、どうせ嘘なのだろう。なんとなく勘がそう言っている。
「愚かだな、自身より弱い種族を狙いものを奪おうとするとは哀れな奴らだ。」
お前がそれを言うのか、と、ツッコミたいところだが
そんな状況じゃないから心の中でしまっておこう。
「お前の力でなんとかできないのか?」
悪魔はふっと笑った。
「なら、少しの間力を貸してやろう。」