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玄関のドアを開けて、外に出る。
すると、1人の女性が携帯をいじりながら、そこに立っていた。
「ひまわり」…夏影 向日葵だ。
「毎回待たされる身にもなってよね…遅い…っと!」
「いてっ。」
チョップをされた。地味にヒリヒリして痛い。
向日葵に小言を言われながら、成人式会場へ向かう。
向かう最中、成人式には元同級生がたくさん来る、ということを向日葵から教えてもらった。
正直、あまりいい思い出がないため、かなり憂鬱だった。
「はぁ…」
「ん、どうしたの?」
「いや…元同級生がたくさん来るって言ってたでしょ?ちょっと…ね。わかるでしょ?」
「あ〜…でも、そんなに気にすることないんじゃない?たくさんいるとはいえ、会うことはそうそうないでしょ。大丈夫だって。」
「ん〜…」
そうこうしているうちに、目的地に着く。
謎の緊張と胃もたれが襲ってくる。
「(元同級生に会ったらどうしよ…)」
私は内心ビクビクしながら、会場へと入った。
成人式は、やはりそこまで楽しいものだとは思わなかった。
市長?さんのスピーチは長く、向日葵が寝ようとするので、ずっと揺さぶるだけの時間だった。
他にも、昔の同級生が不良になっているのを見つけしまい、そそくさと逃げたり、大声で再会を喜ぶ女性達の会話に無意識にイライラしてしまったり…
「(今こうして、落とした手袋を必死に探したり…)」
人の波に負け、どんどん飲まれていくうちに、どこかで手袋を落としてしまった。
向日葵には会場で探してもらっていて、私はそれ以外の道で手袋を探していた。
なかなか見つからず、もう諦めようと思い、向日葵に連絡を入れようとした。
その瞬間。
目の前に見覚えのある手袋を差し出された。
「あっ!私の手袋!!ありがとうございま…」
見上げると、そこにはどう見てもヤのつく人のような男性がいた。
「…ヒュッ。」
私は、気絶した。




