一年ありがとうと【完結ブースト】の話
皆様、覗いていただきありがとうございます。
完結ブーストの記録から、発生原因を少し考えてみました。
読み専だった私が、書き手デビューをしたのが昨年の12月11日。平成の時代に書き始めた処女作が、令和元年に完結しました。
これも、たくさんの皆様が読んでくださったおかげです。また、たくさんの感想もいただきました。ブックマークも評価もいただきました。本当に感無量です。ほんとほんとに、ありがとうございました。
さて、この一年を振り返ると、一言でいうなら楽しかったです。ですが、辛いこともありました。読み専の頃には知らなかったことを、この一年でたくさん学びました。
でも、来年の今頃には、一年前はまだ何もわかっていなかったと言いそうな予感もしますが。
昨年の12月11日から投稿を始めた作品は、9月3日に本編完結しました。その後、週2ペースで閑話を投稿し、9月26日に完結しました。
誤字などの修正をしたいとは思いつつ、まだ、なかなか手直しが出来ていない状態です。
この作品に、【完結ブースト】が起こりました。
完結時に、完結済み小説欄に載ることで、驚きの現象が起こりました。時間ごとのアクセス数の桁が一桁多いんです。このときは、祭りだー! と感じました。完結したご褒美に、アクセス祭りがやってきた〜。
ところが、驚くのはこの後でした。少し時間が経ち、完結済み1ページ目から消えた後のことです。
当然、私は、祭りは終わったと思いました。時間ごとのアクセス数はがくんと下がり、見慣れた数字が並ぶようになりました。そしてその後、急にブックマークがすごい勢いで増え始めたのです。
(な、なにが起こってるんだ?)
その時の流れを振り返ってみます。
完結時のブックマークは、確か1,082個、完結すると30分で1,075個に減って、ツイッターで叫んだ記憶があります。
(なんでブクマをはずすんだ〜)
読み終えてブックマークを外されるという現実から逃避したくて、しばらくは、なろうを開きませんでした。
もうおまえはいらない、読了記念に置いておく価値がない、次の作品も読まないなどと宣告されているような気になり、開けなかった……の方が正確な心理状態でした。
(気分は暗い。でも、祭りは気になる)
私はずっと、アクセス分析のカササギさんばかりを見ていました。アクセス数は、桁が一桁多くてお祭り騒ぎです。このときは、カササギさん大好きになっていました。
カササギさんがお祭り騒ぎをし続けてくれたことで、かなり元気をもらいました。今ならブックマークが減っていても耐えられるかもしれない。気分が少し前向きになってくると、評価を入れてくださる方もいるかも? と、気になり始めました。
完結してから数時間後に、ようやく、小説情報を見に行きました。すると、ブックマークは逆に増えていました。そして、評価を入れてくださった方も数人いらっしゃいました。
(完結したら、ブクマが微増になった!)
私は一気に気分が上昇し、捨てる神があれば拾う神があるのだ、と喜んでいました。
だが、それで終わりではありませんでした。
(な、なにが起こってる? こ、こわい……)
それからが、凄かったのです。
なろうを見るたびにブックマークが増えている。読み終えて外す人が多い中で、増える増える増える。1日で80個くらい増えました。
その原因がわからなかった2日ほどは、怖かったです。ブックマークの増加が落ち着いてきた頃に、やっと原因がわかりました。
(日間ランキングだ!)
それまでも、ランキングに載っているのかと、ハイファンタジージャンルを探しましたが、自作は載っていませんでした。だから、何が起こっているのかがわからなかったのです。
私が書いていた作品は、異世界転生ものです。このタグがあると、異世界転生転移ジャンルに分類されるのです。そんなこととは知らず、ハイファンタジージャンルばかりを探していました。見つからないはずです。
一番ピークだった日は、毎日投稿していたときの10倍を超えるアクセス数でした。理由がわからず、ただただ恐怖を感じました。
人は、自分の理解を超えることに直面すると、恐怖を感じるのですね。なぜか怖かったんです。手先が冷たくなっていました。このときの心境は、おばけ屋敷に入ったときの感覚に似ています。
完結済み日間ランキングには、1週間くらい50位以内に入っていました。それほどランキング効果というのは、すごいんです。
ランキングに入ると目立つからブックマークが増え、そしてブックマークが増えるからランキングに居座り続ける。
ブクマ1つは2ptだから、評価されなくてもポイントになります。読み専のときには知らなかったことです。
ある日の完結済み日間ランキングで、私がなろうに足を踏み入れるキッカケになった作品と並びました。来年アニメ化される超有名作品です。おそれながらもスクショを撮り、永久保存しようと心に誓いました。
(一生の宝物にする!)
こんな嬉しい偶然は、完結させなければ起こらなかったことです。ほんと、完結してよかった! スクショを眺めながら、しばしボーっとしてしまいました。
おっと、感覚的なことばかり書いてしまいました。ブックマーク数の推移も記録していましたので、それを少し紹介します。
結局、完結から三日で200個ほど増え、それからは、60個増、30個増、20個増、10個増と、増える量はおだやかになりました。
完結から二週間ほどで、ブックマークの増加は止まりました。読み終えて外す人と、新たに見つけてくれる人の数が均衡してきたのだと思います。この頃には、すべてのランキングから消えていたようです。
そのときの数が、1,495個。完結時は、1,082個だったので、二週間で413個の増加。約1.4倍になった感じです。
そして、完結から一ヶ月後は、1,522個でした。ランキングから消えて二週間で27個の増加です。
さらにその一ヶ月後、完結から二ヶ月後は、1,548個。この頃はアクセス数も毎日投稿していた頃より少なくなり、来てくださるユニーク人数も毎日投稿していた頃の三分の一くらいになっていました。
そして今、二ヶ月半以上経ちましたが、1,552個。もうさすがに、止まりました。ですが、アクセス数は、毎日まだ二千前後あります。ゆっくり読んでくださる方が、来てくださっているようです。これも嬉しいです。まだ忘れ去られていないのだと、あたたかい気持ちになります。
ランキングから消えてから増えた分は、コツコツとスコップしていただいたのだと思います。ありがとうございます。
まだこれからも、誰かのスコップにコツンと当たるのかなと思うと、嬉しい反面、誤字脱字訂正を早くやらなければ、という焦りもあります。文章も、直したい部分が多いので、時間に余裕があるときに、なんとかしたいと思っています。
最後に、少し考えてみたことを書いておこうと思います。まだ、私は完結作がひとつしかないため、あくまでも可能性についての考察です。
どうすれば、【完結ブースト】が起こるのか?
自作に【完結ブースト】が起こったのは、幸運が重なって、よい連鎖が生まれたからだと思います。【完結ブースト】なんて起こらなかったというエッセイを読んだことがあります。完結時のブーストの有無の差って、何なのでしょうか?
なぜ、【完結ブースト】が起こったのか?
まず、一つ目の理由としては、完結済みのページの滞在時間が、長かったからかもしれません。
自作は、完結後の12時半からゴールデンタイムの19時半頃まで、完結済みのトップページ、1ページ目に載っていました。23時頃には、完結済み4〜5ページ目あたりまで押し流されていましたが……。
数話で数千文字程度の完結ラッシュがあると、一気に後ろへ押し流されてしまいますね。数千文字完結は、完結済みページに載せなければいいのにと、あのときは心の中で叫んでいました。
次に、二つ目の理由としては、自作が、栞としてブックマークをしなければならない長編だったことも、影響があるかもしれません。
数万字以内の作品なら、栞は不要です。そのため、ブックマークされずに、楽しく読んで終わってしまいそうです。評価やブックマークをされることで、日間ランキングに登場する可能性が上がっていくのですから、栞としてブックマークされなければ、ポイント連鎖が生まれません。
そして、三つ目の理由、これは完全な感覚のみですが、ハイファンタジーという人気ジャンルだったことも理由の一つだと思います。
また、四つ目の理由として、いえ、完結ブーストのパワーの差は、完結時のブックマーク数が影響するのかもしれません。
これは、タイトルやあらすじの差だと言えるかもしれませんが、完結済みページを見ていると、すんごい完結ブーストが起こっている作品は、ブックマーク数も、数千から数万個なのです。
逆にブクマ100の壁を超えていない作品は、一瞬アクセス数がどわっと増える祭りのあと、数時間で終息してしまう作品が多いような気がします。
ですが、完結時にブックマークが100個以下の作品すべてに、完結ブーストが起こらないわけでもないはずです。もちろん、完結時のブックマーク数に関係なく、すんごい完結ブーストパワーが継続する作品もあるかもしれません。
【完結ブースト】、これはやはり、完結おめでとうの読み手の皆様からのプレゼントなのだと思います。
読んでくれる人が少なくて筆を折りそうになっている書き手の皆様、きっと、完結後にお祭りがあります。今まで気づいてくれなかった人が、来てくれます。【完結ブースト】を想像して、ニマニマしてください。頑張って完結させた先のプレゼントを楽しみに、これからもコツコツと続けていきませんか。
そういう私も、完結作の外伝的な話をいま書いていますが、これが、この一ヵ月のブクマ増は、ほぼゼロです。
あまりにも読まれなくて、作品を削除したい衝動にかられた時期もありました。毎日投稿しているのに新規で読んでくださる方がほとんど現れない。さすがに辛くなりました。でも、ひとりでも読んでくれているなら、削除はダメです。
ブクマ100の壁を超えていないし、ファンタジージャンルでもないので、【完結ブースト】は起こらない可能性が高いかもしれません。それでも、やはり、毎日投稿しています。書き手デビューをしたときに、毎日投稿しようと決めました。あまり読まれないからといって、毎日投稿をやめると、書けなくなりそうな気がするのです。
継続は力なりといいますが、まさしく、忍耐力がつきました。作品としては底辺ですが、私を成長させてくれた作品です。それに、ブックマークは滅多に外れないので、精神的に楽です。だから書きたいように書いています。それでも読んでくださる方がいらっしゃることに感謝しつつ、キチンと完結させたいと思っています。
そういえば、三作目が当たることが多いという噂を聞いたことがあります。いま書いている外伝が二作目だとすれば、次の新作は三作目です。外伝はノーカウントなら、次の次の作品でしょうか。信じるものは救われる精神で、前を向いて頑張っていきたいと思います。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
それから、一年間、ずっと応援してくださった皆様、支えてくださった皆様、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
【追記】
やはり、ブクマ数が少ない作品には、完結ブーストは起こりませんでした。完結ブーストは、貴重な奇跡の祭なのかもしれません。