レベルアップ!
俺、大人になったよ。
アレな意味じゃないよ?
レベル的にだよ?
やっと、普通の大人並みのレベルになったって事。
実はあれから2ヶ月も経過しているのだ!
その間、何をしていたかって?
武器屋で、仕入れしたり、販売したり、研ぎを習ったり、と大忙し。
……弟子か! 俺は弟子か!!
「よくやったな。これでお前もマトモになった」
「いや、確かに助かりましたけどね? でも弟子のように働く必要は無かったと思うんですけど」
「何言ってんだ。タダで住ませて鍛える訳ないだろうが」
「いやいやいや。俺、飯代とか払うって言いましたよね?! その度に『気にすんな!』って言ってましたよね?!」
「そうだったか?」
「そうですよ!」
「ま、人手が足りなかったから、少しは助かったけどな」
「少しじゃないでしょ! ムチャクチャ働きましたよ?! どっちかって言えば、給料を貰いたいくらいには!」
「でも鍛えられただろ? 研ぎも覚えたし」
「確かにそうですけど! 納得出来ない!」
研ぎを覚えたので、自分で武器のメンテが出来るようにはなった。
物の相場も分かったし、この世界の事も知る事が出来た。
だが、2ヶ月も住み込みで働く必要があったのか?
最大の利点は、人相・服装が変わった事で、追手に見つかりにくくなった事かな。
研ぎをする場所には鍛冶用の窯もあって、日焼けしたのだ。
筋肉もついて服がキツくなり、服も新調。
一度追手と思われる兵士に質問された事があったが、疑われる事も無かった。
でも、やっぱり納得は出来ない。給料ももらってないし。
今のステータスはこうだ。
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名前:キョウ
耐久力(HP):Lv.11:64
魔力(MP) :Lv.14:85
筋力 :Lv.14:40
持久力 :Lv.12:36
知力 :Lv.11:46
アイテム:薬草(3)・毒消し薬(2)・魔力薬(2)
キャンプセット・研ぎ道具
装備:ナイフ(2kg)
革の手袋(1kg)
革の胸当て(1kg)
所持金:9,929,600J
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どの項目も10台になった。
それで分かった事はこちら。
魔力は知力が上がると一緒に上る。
それと魔力薬を飲むと、レベルが1上がり10増える。
ちなみに味は、咳が出る時に病院から貰う水薬のようだった……。
それをコップ一杯を一気に飲む。地獄!
筋力と持久力はレベル1毎に2増える。知力は3増える。
耐久力は4増えるんだけど、レベルがなかなか上がらなかった。
上がる時はどれかの項目が上がると同時だった。
それから分かった事は、各項目の最低レベルと同じになるって事。
現在は知力がレベル11だから11って訳。リン○の冒険のシステムだね。
筋力も40になったので、20kgまでは装備出来る。
装備品は変わってないけどさ。
「で。改まってどうしたんですか?」
「せっかく人間になれたんだ。そろそろモンスター退治でもしてみればどうか、と思ってな」
「妖怪人間だったみたいに言わないで下さい。
……モンスター退治ですか?」
「おう! 最近近くの林にビーが巣を作ったらしくてな。皆で駆除に行くって話になったんだ。
それに参加させてやるよ」
「いや、それって……どう考えても人数合わせでしょ?」
「お前の為のテストだ! 倒せるなら卒業だ! ヒマな時期にもなってきたしな!」
「ホンネが出た! やっぱり人夫扱いだったんだ!」
クソがっ!
しかし、ビーか。
ゲームでは最弱の蜂型モンスターだった。
戦闘はゲームのように選択型じゃないだろうし、助けが居る状態で戦闘を経験するのは良いな。
オッサンの策略通りってのが気に食わないけど。
それにビー退治は、ドロップ品というメリットもある。
まぁ、ゲームと同じ物をドロップするのか知らないけど、今回でそれも分かるだろう。