表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/20

途中の村

会話をしていると、目的の村に到着。

あれぇ? こんな所に村なんかあったかな?

ゲームでは無かったはずだが。


…………考えてみれば当たり前かもしれない。

ゲームでは町と町の間に道すら無かった。

だが現状では道がある。

ならばその道中に宿場町のようなものが合っても不思議じゃない。

そもそも、ゲーム内では高速移動のようなものだからねぇ。昼夜も無かったし。


村はかなり小規模。

あるのは宿屋と武器屋。

サッチ君に聞くと、泊まるのと食事は宿屋なんだって。

武器屋はメンテナンス用らしい。後、矢とかの消耗品の補充。

薬は宿屋で販売しているそうな。


宿屋に行くと、そのまま馬車を預けた。

この宿屋は冒険者組合が営業しているんだってさ。

だから専用の馬房があるらしい。組合員が使うのは無料なんだそうだ。


部屋を借りる為に中に入ろうとすると、サッチ君は来ない。

何かあったのかな?


「俺は馬車で寝ますよ」

「えっ?! なんで?!」

「そういう契約ですから。泊まっても良いんですが、それだと自分の懐から支払う事になります」


契約では1日20000Jだったな。

それに自分の飯代も含まれていると。でも宿代は含まれていない。

泊まればそれだけ利益が減るって訳か。


う~ん、でもなぁ。

最初からそう言われてれば納得出来たかもしれないけど、宿まで来てから言われても。

この世界の人達は知ってる事かもしれないが、俺は初めてだし。

……うん、俺が払うから泊まってもらおう。


「えっ? 気にしないでください!」

「いやいや、俺だけ泊まるって、何か偉そうだし」

「雇用しているから偉いでしょう?」

「偉くなんかないよ。

 それよりも契約時に聞かなかったから、一緒に泊まるって思ってたんだ。

 だから泊まってほしい」

「え~?」

「じゃあさ、口止め料って事で。今回の事を言わないでって頼んでるからさ」

「いえ、契約の事を話さないのは普通ですから!」

「じゃ、じゃあさ、ほら、俺って世間知らずだから。

 一人だと不安じゃん? 一緒に居てくれると助かるなぁ」

「……分かりましたよ」


よっしゃ!

ちょっと自分で言って悲しくなったけど、結果良しとしよう。


その日は、晩飯食って、すぐに寝た。




翌日。

ここからは馬車は置いて歩いていく。

組合の宿屋だから出来る事だってさ。

ま、山に入っていくからね。馬車で行っても放置する事になるし。


どうしてもと言うなら馬車でも行けるらしい。

その場合は御者を雇う事になるそうな。

その人に待機していてもらえば、馬車も守れる。

でも、俺がやる事が秘密の事なので、人を増やすのは止めておいた。



目的地に向かいながら、モグへの攻撃方法を話し合う。


「毒針が小さいので、吹き矢はどうだろう?」

「悪くないと思いますが、吹き矢の経験が?」

「……無い」

「無ければ難しいですよ? ただでさえ素早いのに、慣れてなければ当てられないでしょうね」

「う~ん、そうか~。

 そうすると、投げるってのも無理だよね?」

「そうですね。重さも無いですし、投げても届かない上に当たらないでしょう」

「あっ、木の実とかにくっつけて、それで投げるってのは?

 それなら重さもあるし、ある程度の大きさになるから投げやすいと思う」

「良いですけど、栗みたいにするんですか? 持てませんよ? そもそも、コントロールに自信があります?」

「……無い」

「まぁ布を利用して投げるって方法もありますが。これも練習が必要です」


あ~、なんて言ったっけ?

スリングショット? ボーラー?

……投石機で良いか。って呼び名はどうでも良い!

確かに練習が必要だな。やった事無いし。


「無難に槍が一番良いでしょう」

「槍?」

「ええ。と言っても棒ですけどね」

「棒?」

「棒の先に毒針をくっつけておくんですよ。

 それで突けば良いんです。これなら少々離れていても当てられるでしょう。

 それに棒ならそこら辺でいくらでも手に入ります。

 吹き矢にしろ投げる木の実にしろ、物が無いですからね」


……あっ、本当だ。

俺、アホじゃないか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ