結果は…
「ほら、お前が欲しがってた毒針だ。悪用するなよ」
「ありがとうございます。悪用なんかしませんって!」
ここは町の役場みたいな所。
戻ってきた俺達は、皆ここに集まってる。
どうやらここで、色々やるみたい。巣の解体もここでやるようだ。
今はドロップ品の処分をしているみたい。
毒針は放置しても危ないので、持って帰ってここで集めて処分するようだ。
それを全部俺が貰ったんだけど。全部で134本になった。……こんなに必要だろうか?
蜂蜜等は、商人が来ていて、買い取りをしている。
俺はどうするかな~、まぁ持っておけば良いか。現状ではお金に困ってないし。
毒消し薬も配られた。
一人1本支給。ありがたく貰っておこう。
これで解散かと思ってたら、どうやらそのまま宴会に突入するようだ。
参加者への慰労会って感じか。怪我人も出ずに解決したし。
って言うか、ただ単に飲んで騒ぎたいだけのような気もするけど。
俺も1杯貰った。ん? これはビールか? 冷たくないけど。
あっ! これがラノベで有名なエールってやつか?!
飲んでみたかったんだよね! でも日本では専門店じゃないと売ってないって言われたんだよな~。
「何をボーっと見てんだよ。ほれほれ、乾杯!」
「あっ、はい、乾杯!」
うん。常温。
…………うん? 意外と悪くないな。
個人の好みもあるんだろうけど、絶対にキンキンに冷えたラガーの方が良い!ってほどじゃない。
あ~、分かった。多分だけど、気温の関係もあるな。
日本の夏なら、蒸し暑いからキンキンに冷えたラガーの方が美味いんじゃないだろうか?
こっちの世界は意外に涼しい。湿度もそれほど高くなく過ごしやすい。
だから、常温でも気にならないんだ!
日本に居る時に飲んでなくて良かったわ。
一人2杯までは無料でそれからは有料と言われたので、2杯飲んで帰りました。
えっ? ケチくさい?
いやいや、明日から冒険するから。酔っ払っちゃダメでしょ。
無料分は飲むけどさ。
さてさて、翌日です。
今日は手に入った毒針を使って、経験値の検証です。
やる事は簡単。ゲームの世界に居た経験値を沢山くれるモンスターを倒しに行くだけ。
それで経験値って物が貰えるのか、それとも意味無いのか。それを調べたい。
問題点は一つ。
場所も知っているし、毒針が弱点ってのも知っている。
だが、その場所に行けるほど、俺が強くない……。
この問題を解決する方法。
はい、簡単ですよね? そう、冒険者を雇うのだ!
組合に行って、誰かを雇おうと思います。
ゲームでは建物の中に居た人に話しかけて雇ってたな。
さすがにそんな訳無いだろうけど、まぁ行ってみよう。
ついでに自分を登録しても良いし。
いやね、最初は一人で行こうと思ってのよ?
モンスターは回避しながら進めば良いだろうと。
はい、武器屋のオッサンに速攻で怒られましたね。
「普通の大人になっただけで、冒険者になった訳じゃねぇ!」ってね。
納得です。ぐうの音も出ません。正論です。
で「金があるなら、誰かを雇え」と言われたんですよ。
俺が閃いたみたいに言ってた?
はははは、気の所為ですよ。病は気からってやつです。
……さ、行こうか。
中に入ると、銀行のような作りになっていた。
と言っても現代日本のではなく、ちょっと昔のやつ。
カウンターに鉄格子があって、小窓みたいな所からお金とか渡すアレ。
そうだよな、冒険者は武器持ってるもん。暴れたらヤバいもん。
ラノベでは必ずバカが出るもん。受付を守らないとね。
うん? この横の扉はなんだろう?
冒険者は皆受付に行くけど。
もしかしてこの扉の向こうに、いわゆるギルドマスターみたいな人が居るのかな?
それともゲームでよくある建物の中に進む為の扉で、専用の鍵を使って入るやつ?
入った後はタンスを探ったり壺を壊したり?
「どうされました?」
「うおっ?! ええっと……」
「あ、私はここの組合の社員です。今休憩から戻ったところなんです」
「そうなんですか」
「今日はどのような要件で?」
「え~とですね、依頼を出そうと思いまして」
「あ、そうですか。ではこちらへどうぞ~」
そう言って、その扉を開けて入っていった。
どうやらこっちは依頼を出す人が進む所らしい。
出す所と受ける所は別なんだな。何でだろ?
ここからは2日に1度の投稿になりそうです…。




