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ゲームの中?

新連載です。

仕事の関係上、毎日投稿は出来ないと思いますが…。

「ふ~、ようやく攻略だな……長かった!」


思わず独り言も言ってしまうほど長かった。


友人が面白いからと押し付けるように貸してくれたゲーム。

プレイしてみるとすぐに夢中になり、次の日にはソフトを買いに走った。

それが、この『恋愛勇者』だ。


タイトルはダサいが、今までに無い要素が山盛りだったのだ。

まず、基本的にRPGだという事。

しかも今どき珍しい見下ろし視点の2Dタイプ。

そして戦闘も文字選択式という古い仕組み。これが一周して新鮮だった。

RPGとして考えた場合、隠し要素や思わず唸るシナリオ等が満載で、素晴らしい出来なんだよ。

ちなみにムービーはCGを使わずに、全部アニメで制作されている。このアンバランスさが良い!


そしてそれだけじゃない。

タイトルにもあるように、恋愛要素もあるのだ。

主人公はラノベのように色々な場面で女性を助ける。

そして自分のパーティーに加入させるのだ。

パーティー増強の意味もあるが、この中の一人と恋愛を成就させないといけないという縛りが!

つまりラスボスを撃破しても、恋愛が成就しなければクリア失敗となる、鬼のようなシステム!


攻略対象の女性は全部で8人。


そして今!

最後の1人を攻略目前なのだよ!



『やはり貴方は勇者なのですね……』


画面に出ている娘はセラフという名前。

ネットでは「チョロイン」とか「ヘルプ娘」とか「チュートさん」と呼ばれている。

一番最初に仲間になる娘なんだよね。

そして知らない事を教えてくれたり、質問すると導いてくれたりするんだ。

だから誰もが一番最初に攻略する。そして指示通り進めていれば、必ず攻略出来る。


ここで疑問が出るだろう。

何故俺が、この娘を最後に攻略しているか、という疑問が。


答えは簡単。

友人から借りた際にこの娘をクリアしていたからだ。


そしてこのゲーム、ユーザーに対して容赦が無い。

借りてプレイした場合、セーブ出来ない!

セーブすると、貸してくれた友人のセーブデータが消えるという……。

つまり「プレイしたきゃ買え!」と!


なので買ってきてやり直した訳なんだが……クリアした気で居たんだよね~。

しょうがなく、最後に最初の娘をプレイするという、謎の行動中です。



『テッテレーテーテーテーテレッテー…………』

「お~! エンディングだ~!

 この後、ミニゲームが出来るようになるんだったな。どんなのだろう?」


『クリア、おめでとうございます!

 貴方は、アリエル→ポルカ→プラン→エノ→ミューチ→フォルテ→ロライト→セラフ、の順で攻略しました!』


あ~そうだったっけ?

アリエルが一番好みだったから最初に攻略したのは覚えている。


後、ロライトはツンデレだったので面倒だから最後にしたんだったっけ。

ネットの人気投票では1位だったけどな。謎だ。


『真モードが開放されました!』

「えっ?! 真モード?! ミニゲームは?!」

『真モードをプレイしますか? 残り10秒   →YES NO』


あれっ? こんな情報はネットにも無かったぞ?

ネットで確認するか?

って、カウントダウン!

後5秒だと?!

YESを選ぶしか無い! 深夜3時だけど、やりますよ! チクショウ!



YESを選ぶと、目の前が真っ暗になった。






「おおっ! 神よっ!」

「願いが通じたのだ!」

「起きられますか? 大丈夫でしょうか?」


ううん……。

あ~、ゲームのオープニングムービーが始まったようだ。

それにしても、グラフィックが異常に綺麗になったなぁ。

実写と言われても信じられる綺麗さだわ。

これが真モードってやつか。




………………って、現実逃避してる場合か!

実写どころか、現実じゃないか!

つねれば痛いし……マジ?


落ち着けっ! そうだ! 明晰夢ってやつじゃないか?

夢の中で「ああっ、これは夢か」って気づくやつ。



……生まれて今まで、そんな夢見た事無いから分からないけど、多分違うな。

これは現実だろう。匂いも触った感覚もある。

こんな夢を見た事なんかない。

という事は、ゲームの中に入ってしまったのか?!

明日は大事な商談があるというのに!

……それなのに、深夜までゲームをしてたという事実は置いておいて…………。


どうしたら良いのだろう?

ゲームの世界なんだから、クリアしたら帰れるのか?

だが、その為には生身でラスボスとの決戦をする必要がある。

……勝てる訳無いだろ!

そもそも喧嘩すらした事も無いのに、戦うって。無理無理。

生き物を殺すのも、無理。子供の頃に虫を殺したくらいだ。

大人になってからはGに殺虫剤をかけるくらい。

異世界に行ったラノベの主人公はよく殺せるよなぁ。


もしかして死んだら帰れるのか?

可能性としてはアリだが、死にたくない。

既につねる事で痛覚がある事は判明しているし。

町で危険を冒さずに、帰る方法を探すのが一番かな?


と、とにかく、ゲームに沿って進めてみるしか無いな。

自由に動けるようになってから、ここの人達に聞いて回るのが早そうだ。

ゲームでは会話のムービーがあって、それが終わったら自由に動けたもんね。


このゲーム、召喚は教会内。ラノベのように王宮とかじゃないんだ。

この点は助かる。王様相手とか話せないわ。

最近のラノベによくある、クソみたいな王様の願いを断るとかも無理。

まぁ、会話をした後は城に行って、王様と謁見なんだけどさぁ。行かないぞ!

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