放課後の驚愕
放課後になり、みんなは帰る準備をしていた。
晴香は『部活行ってくる!』と言って走り去っていった。
裕樹と裕也は帰り道にゲーセン寄ろうと言っており、その為にも早めに帰ろうとしていた。
しかし、思いもよらない人に引き止められた。
ふと、少し教室が騒がしいなと思い、裕樹は周りに視線を送った。
他の生徒は廊下を見ており、何かを見て喜んでいたり、興奮していたりする。(主に男子)
何だろうと思い、裕樹が廊下を見ると生徒会長がいた。
裕樹の思考は停止した。
「おい、裕樹起きろ!ゲーセン行くんだろ?とっとと、行こうぜ」
「………はっ、ご、ごめん裕也……思考が停止してた…」
思考停止した裕樹を元に戻したのは、裕也だった。
少し、名残り惜しいとばかりに生徒会長を見る裕樹……その時、生徒会長も裕樹の方向を見ていた気がした。
裕樹が首を少し傾げると、生徒会長はクスッと優しそうな顔で微笑んだ。
その時、教室が湧き上がった(主に男子)
『生徒会長が俺をみて微笑んだ』
『いや、俺だ!俺を見て微笑んだ!!』
『生徒会長……俺に気があるのか、なら答えるしか無いな!』
『ごめんなさい』
『………』
生徒会長に告白をしようと向かおうとした人に向かって、生徒会長は直ぐさま返事をして、告白しようとした人を、燃え尽きたぜ……真っ白にな……状態にする。
そんな生徒会長に微かな疑問があった。
「何で生徒会長が此処に居るんだろうね?」
「あれだろ、どうせ彼氏か誰かいんだろ……残念だったな」
「うん………うん?!え、裕也?もしかして……知ってた?」
「何をだ?俺は掲示板の手紙の主人なんて知らんぞ」
「いや、それ殆ど気付いてる様なもんだよね!?え、いつから?いつから気が付いたの!?」
「去年の夏辺りから」
「なんてこった……」
裕也は裕樹の恋心を知っていた様だ。
しかし、裕樹は裕也にそんな事を言われても、ちゃんと告白が済むまで、諦めるつもりは無かった。
逆に、振られるとわかって勇気が出た気がした。
「……今度、俺生徒会長に再告白する。……前は出来なかったから」
「おう、頑張れ……成功しろよ」
裕也は仕方ない子供だな〜と言う様な顔をしながら裕樹を見ながら、その恋心を応援した。
「……じゃあ、ゲーセン行こうか」
「おいこら、再告白すんじゃ無いのかよ」
裕樹の告白はまだまだ先になりそうだ……と裕也は感じていた。
尚、このヘタレめと裕樹に内心追い討ちをかけるかと、考えていた。
「まぁ……帰るか」
「うん……」
「……とっとと告白しやがれ」
「タイミングが……タイミングが……」
「駄目だこりゃ」
そう言って、帰ろうとした裕樹達……その時だった。
教室の前にいた生徒会長が動いて、裕樹達の目の前に移動した。
裕樹は裕也を盾にする様に立ち、裕也は呆れた。
「牧田裕樹くんだよね?ちょっと、生徒会室に来て欲しいな」
その時裕樹の思考は再び止まり、そのまま生徒会室に連行されていった…。
「……これでストーリーは進んだな……最善の道を行ければ良いがな」
裕樹達が去って行った後にはそんな言葉が残された。