朝の1ページ(2)
電車が学校前の駅に着いた。
そして、祐樹は柚希と他愛無いことを話していると、遠くから声が聞こえた。
そして走ってくる赤い髪の男子生徒…。
「おーい、祐樹~河崎さん~」
「………誰だろ?」
「ひどくないかね君!?親友だよね?!」
その男子生徒……裕也であった。
裕也は若干整った髪で、平凡な顔をしている。
そして、祐樹と小さいころからの親友で、ゲーム仲間である……なお、ゲームの趣味の選択は悪い模様。
「…冗談だよ、おはよ裕也。今日は結構早いね」
「おう、おはよ。や~、今日も遅刻したと思ってな。そして、家出て電車乗ったら遅刻しない時間だったからよかったわ~」
「あれ?今日の朝に電話しなかった?」
「ん?俺は電話してないが……まさかドッペルゲンガー!?助けて陰陽師~!!」
そう言って怖がるように肩をさすって、叫ぶ裕也。
しかし、その顔はやっぱりというかなんというか……笑っていた。
だけど、この場にはもう一人いる訳で……。
「え、ドッペルゲンガー?……もしかして、今ここにいる羽田君が、本当の羽田君じゃなくて……」
「ああ、多分そうだよ……だから言ったんだよ……誰だ?って……」
「わ、私あなたの仲間じゃないよ…」
「ちょ、真に受けないでいただけますかねお二人さん!?冗談だよ、冗談。イッツアジョーク!!」
裕也の言葉を本気で真に受ける柚希と、それに便乗してふざける祐樹。
そして、誤解を解こうと本気で説得しにかかる裕也の姿があった。
学校に着くまで柚希の誤解は解けないままだったとさ……。
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「もう、あんなこと言わないでね!!」
不貞腐れたように、頬を少し膨らませて裕也を見る柚希。
その姿を見て裕也は………。
「可愛いな~結婚してくれ!!」
「ふぇ!?」
告白していた。
告白をされた柚希は不貞腐れていたのが、変わり慌てたように動揺する。
「二人で赤い絨毯の道を歩こう、そして新婚旅行を迎えて初夜を一緒に……」
「結婚式の途中で、俺が乱入して『花嫁は貰っていく!!』って言って攫っていくね」
「『柚希を離せ!!』って言って追いかけようとするが、俺の手は届かずに攫われて行っちまうのか…」
裕也の想像に、祐樹が悪乗りをして攫って行くと宣言し、どっかのドラマよろしく攫われていく柚希。
「そして、俺が力をつけて花嫁を取り返すって話だな!」
「そんなあなたに、このゲーム」
スマホを取り出し、ゲームのタイトル画面を裕也に見せる祐樹。
因みに、祐樹の見せたゲームは『十三の金曜日~花嫁返して』というホラーゲームである。
十三の金曜日とつくので、やっぱりジェイソンは出てくる。
しかし、ジェイソンが主人公で花嫁を連れ去られた側である。
「……よくそんなゲーム見つけるな……まあ、面白そうだが」
裕也はそういうと、自分のスマホを取り出しそのゲームを検索し、自分のスマホにそのアプリをダウンロードする。
そして、祐樹はあることに気が付いた。
「あれ?柚希さんは?」
「ん?……あれ!?どこ行ったんだ!?」
スマホの画面に集中していた裕也は周りを見て、本当に柚希が居ないことに気が付く。
祐樹は来た道を戻ってみると、柚希は顔を真っ赤にして何かを呟いていた。