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助かるか、絶えるか

二話投稿です

裕樹は裕也に言った。


「今、演劇部の仮設演劇場の裏口の扉の近くに居るから助けて!」

「わかってる……チェーンソーかドリルどっちが良い?」

「ドリルでお願い……出来るだけ強力なのを」

「了解……工作部が近くにあって良かった」


そう裕也が言うと、何かのケースをひったくった様で机を擦る様な音がした。

きっと大丈夫だよね?

緊急事態だし許してくれるよね?

そう裕樹を心配させる裕也。

しかし、裕樹は先ずは生き残る事が最優先の為、必死に扉に体当りをした。

そんな事をしていると裕也の声が外から聞こえた。


「おい!!生きてるか!!」

「残念ながら生きてるね」

「軽口叩けるって事は無事か……で、どこに穴を開ければ良い?」

「出来れば、ドアの留め具に穴を出来るだけ大きく開けて!」

「了解」


裕也はそう言うと、金属と金属の擦り合う様な金属音を聞いた。

白和は思わず、耳を塞いだが裕樹は留め具に穴が開く様子を見ていた。

そして、貫通した音が聞こえた時に裕也に向かって裕樹は言った。


「体当りするからドアから離れて!」

「わかった……何回かやり終わって開かなかったらまた切断する」


そう言って、裕樹は体当りを再開した。

一回目でドアが悲鳴をあげ、2回目に外の光が見える様になる。

そして……3回目……は出来なかった。

裕樹の体力の限界だった。

鉄のドアに何回も体当りをして、更には白和を抱えてここまで来た。

火事の熱で体力も奪われ続けていた。

後は、裕也に任せたと言う様に裕樹は壁にもたれかかった。

裕也は体当りが終わったのを感じるとバールを開いた部分に持って行った。

先ずは、バールを差し込み外れない様にして、足でバールを踏むと言う作業。

鉄の扉は音を立てて、倒れた。

こうして、裕樹と白和は救出されたのだった。

____________

「男は無茶してなんぼって言うけど、こんな無茶しちゃダメよ?」

「はい……わかってます」


裕樹は担任の教師に説教を受けていた。

授業をサボったのはまだ良いが、火事の現場に飛び込んで行った事を怒られているのだ。

人を救出する面では、素晴らしいと言う行為だったのかもしれない。

しかし、自分の命をおろそかにする行為だと裕樹は言われた。

裕樹と白和が、仮設演劇場から出た2分後物の見事に崩壊した。

その事を視界に収めて、裕樹が最初に思ったのはもう少し遅ければ、瓦礫の山に埋もれていたかもしれないと言う若干の恐怖だった。

裕樹は助けてくれた裕也にお礼を言ったが、裕也はこう言った。


『困ってたら助け合うってのが親友ってもんだろ?それに、少しの隙間があったから俺は助けれたんだ。一番スゲェのは裕樹だろ?体当りしまくって隙間開けたんだからよ』


と言っていた。

白和は念のために、保健室に行っている。

そして、今日はもう授業は中止になった。

それもそのはず、教師陣は火事になった現場の整備をしないといけない。

それと、白和を誘拐した過激派のファンクラブに、事情聴取しなければならないからだ。

裕樹は、事情聴取終了後にこの説教を受けている。

しかしながら、裕樹は火事現場に突っ込んで行ったのには何の後悔もない。

何故なら白和を救えたから…と言うより、白和を死なせずに済んだからだ。

同じ話を何回か裕樹はされて、少しげんなりとしていたが……。

そんな時に、裕樹はふと思い出した。

それは重要参考人になりそうな、裕也が此処にいないことだ。

もしかしたら別室で事情聴取されてるのかな……?と思いつつ、早く終われと考えていた。

____________

その頃、裕也は屋上にいた。

と言うより、屋上に通じる階段の所にいた。

一段一段、踏みしめる様に登っていく裕也。

そして、屋上への扉を開けた。



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