デート?
3番投稿である(`・ω・´)(遅れてごめんなさい)
白和と裕樹は、白熱した戦いをしていた。
「くっ……白和には負けない!」
「私だって裕樹に負けたくない!」
何をしてるかって?
小さい板を硬い何かをぶつける遊び……そう、エアホッケーである。
実際パックを板と言って良いのか、わからないが今はどうでも良い事であろう。
裕樹と白和はエアホッケーで遊んでいると言う事が、重要な事である。
元々は、協力プレイ出来るゲームをやるつもりだった。
しかし、白和がエアホッケーをやってみたいと言い出した。
そして、思いの外白和が強く、少しだけ本気を出す裕樹。
点数は同点、取ったら取り返され、取られたら取り返す。
その繰り返しで全く決着がつかない。
そうしている内に、ゲームが終了。
10ー10それが最後のゲームのスコアだった。
「あ〜勝てなかった……」
「裕樹強過ぎだよ…」
「いや……初心者の白和に、同点取られている時点で俺の負けだよ…」
そう言って、お互い疲れた表情をして白和はベンチで息を切らしていて、裕樹は自動販売機でスポーツドリンクを買って、自分の分と白和の分を買った。
そして、裕樹は別のスペースに移動して行った。
白和を置いて。
「ふぅ〜……裕樹ありがとうって、あれ?裕樹?」
突然裕樹が居なくなった事で、白和は少し慌てる。
そして、周りを少しだけウロウロした。
そしたら、裕樹らしき人物があるゲーム機をプレイして居た。
そのゲームとは……。
「……音楽?音楽のゲームなのかな?」
そのゲームで、足元にある矢印を踏みリズムを取っていく。
そして、曲が終わりを迎えた。
その結果は、パーフェクト。
つまり、ミスを一回もしなかったと言う訳だ。
汗を少しだけかいていたが、スポーツドリンクを飲む事によって、体を冷やす。
そして、その様子を見て白和は少しムスっとした。
白和は裕樹に向かって言った
「裕樹……私が気付かないウチにどっかに行かないで欲しいな…」
その言葉を聞いて、忘れてた!と言うような表情をする裕樹。
そしてこう言った。
「ご、ごめん。いつもの癖で……一人で回るの慣れてたから、結構自由にしちゃった…」
「もう……今日は恋人なんだから、ちゃんとしてよね」
「本当にごめんなさい…」
大分と申し訳無さそうな、裕樹の顔を見て笑顔になる白和。
そして……。
「じゃあ、裕樹……腕を組みあって町を歩くか、手を繋いで歩くか決めて欲しいな」
「なっ!?」
小悪魔的な顔をする白和、そして赤面する裕樹。
果たして、裕樹が選んだ結果は………。
____________
「ふ〜ん♪ふふ〜ん♪」
ご機嫌そうに歩く白和。
裕樹はその隣で、白和の手と繋いで歩いていた。
勿論のことながら、裕樹は赤面していた。
裕樹が町を歩いて気が付いた事は、女子と手を繋いで歩くと結構な視線を集める事と、だいぶと恥ずかしいという事だけだった。
そう考えてしまう程の、視線を裕樹は浴びて居た。
だが、少し悪寒が走る視線もあった。
なんだか、ねっとりとした様な視線。
しかし、それは裕樹に向けてでは無く白和に向けられた視線だろう。
現に白和の手はぶるぶると軽く震えており、嬉しそうな顔だったが、その目は不安げな色を宿して居た。
それに気付いた裕樹は、白和を握る手を少し強く握り耳元で、「大丈夫だよ、僕が居るから」と言って安心されようとして居た。
しかし、視線は止む様な事はなく、じっくりねっとりと来て居た。
裕樹が白和の手を引いて、ラブホテルに入っていった。
その視線はラブホテルに入った途端消えたが、血相を変えた白和が裕樹に詰め寄る。
「ちょっと、裕樹?!なんで私を此処に連れて来たの!?」
「視線を避ける為には仕方なかったんだ…」
ねっとりとした視線は避けられたが、白和の怒った顔と店員の「こいつら部屋を借りる気あんの?」と言う視線を向けられる裕樹。
裕樹は店員に事情を説明した。
最近ではストーカーなどが多いらしく、偶に此処に来て裏口から出してくださいと言う様な話があった為、裕樹達はラブホテルの裏口を通り、別の場所に移動した。
距離的には然程離れて居ないが、入り口は一つしかないと言う、観点から見て裏口から出て来る訳が無いと高を括って居るだろうと想像して居た裕樹。
ねっとりとした視線は町を歩いて居ても、裕樹達に向けられる事はなかった。
どうやら、しっかり逃げ切れたらしい。
念のために裕樹は白和の家の近くまで、着いて行き何も無いことを確認して、家に帰った。
帰る前に、白和に「今日はありがとうね…でも、今度はラブホテルに連れ込まないでね」と言う事を言われた裕樹であった。




