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悪意のない悪戯

作者: Clocker

 人は誰しも、秘密を一つは持っている。

 例えば、複数の異性と付き合っている。とか宝くじがあたったなど。人によって秘密は様々だ。

 僕も秘密を持っている。僕は人を殺したことがある。

 ナイフで刺したりとか、崖から落とすみたいなことはしていないが。間接的に殺してしまった。

 僕が8歳の頃だ。仲の良い友人と遊びに行ったんだ。当時の僕らはイタズラが大好きだった。

 物を隠したり、ピンポンダッシュしたり、今考えれば本当にアホだったと思う。


 ある日、今までのイタズラに飽きていた僕らはスリルを求めていた。僕の家で次のイタズラはどうしようか

 様々な案を出し合ってるときに、一人がこう言った。


「踏切の線路に石を置いてみよう。」


 脱線して危ないのはすぐに理解できる。それでも僕らは好奇心に負けて行動を起こした。

 大人に見つからないようにソフトボール球くらいの大きさの石を線路に置いた。


 わくわくしながらその上を電車が通るのを待った。

 2時間くらい経ったころに待つのも飽きて帰ろうかと準備を始めたときに遠くから電車が走ってくる音が聞こえた。すぐに帰る準備をやめて、みんな踏切を見た。カンカンと音がなって遮断桿が降りた。

 石を置いた場所まであと少し。電車の運転手は石に気付いたようで急ブレーキをかける。

 キキーッと金属がこすれ合う嫌な音がした。そこから先の光景は僕にはスローモーションに見えた。


 あっと声が溢れた。


 僕らが置いた石に乗り上げて電車は脱線し、住宅街に突っ込んでいった。


 僕らはその場所から逃げた。

 とんでもないことをしてしまったと後悔した。

 家に帰ると、親が家の近くの踏切で脱線事故があったと教えてくれた。

 かなり大きい事故になったらしく、しばらく外はヘリが飛ぶ音やサイレンの音でうるさかった。

 負傷者が多くでて、死んでしまった人も何十人もいた。

 もし、石を置いたのが僕らだとバレたらどうなってしまうのだろうと、考えていた。


 その事故から2ヶ月は生きた心地がしなかった。いつバレるのかと本当に怖かった。


 幸いと言ってはいけないのだが、僕らが事故の犯人だと言うことはバレなかった。

 不幸な事故で片付いたのだ。

 僕らはその日のことをお互いに秘密にすることを約束した。

 それ以来、僕らはイタズラをしなくなった。


 小学校を卒業するときには、僕らはお互いに敬遠になっていた。

 多分この先、彼らと話すことは二度とないだろう。

 悪意のない子どもはときに、悪意を持って行動する大人より恐ろしいのだ。

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