表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集4 (151話~200話)

最新ノモノ

作者: 蹴沢缶九郎

長い間、人間の為に働き続けた一体のロボットが、とある星に廃棄された。その無人の星は、地球のゴミの廃棄場として使われ、日々大小様々な種類のゴミがロケットにより運ばれてくる。


空には灰色の厚い雲が覆い、やがてポツリポツリと大粒の雨が降り始めた。降りしきる雨の中で、先程棄てられたロボットが話し出した。


「ゴ命令ヲドウゾ…。ゴ…ゴ命令ヲ…ドウゾ…」


しかしロボットに指示を出す者はいない。


「唄ヲ歌イ…マショウカ…。最新ノ曲デモ歌エ…マス…。ソレトモ、料理ヲ…オ作リ…シマショウ…カ…」


空を覆う雨雲から、凄まじいエンジン音を轟かせてやってきた一台のロケットが新たなゴミを上空から廃棄していった。空から投下されたゴミにロボットは埋もれ、それでもなお、ロボットは話し続けた。


「ゴ命令ヲ…ドウカ…ゴ命令ヲ…。ゴ主人様…」


ロボットは二度と来ることのない指示を待ち続けた…。


ゴミを棄てたロケットの操縦席に座っていた男が嬉しそうに言った。


「今日、とうとう最新のロボットが我が家にやってくるのか。楽しみだなぁ。やはり何でも最新の物に限る」


ロケットが星の成層圏を抜けようとしたその時、エンジンの異常を知らせる警告音がロケット内に鳴り響き、男が対応に出ようとした次の瞬間、ロケットは空中で爆発を起こし、粉々になったロケットの破片が星に降り注いだ。


その日、地球では最新型ロケットの発表会が行われていた。男の話を当てはめるのであれば、確かに最新の物に限るという事になるのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ