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休日♯8 合コンという名の夜会

はたして合コンと呼べるのか……

ゆるしてくださいorz

「今日は合コンの日やな、なんかシヴァンあんたえらい気合はいっとるやん。いつも鎧着けとんのに……なんやその服、ネクタイまで着けて。自分全然似合っとらへんで」


「ち、ちがう! これは知らない人と初めて会うときの最低限のマナーであってだな、へんな魂胆なんか持ってねえからな」


「オレタチトハジメテアッタトキソンナフクキテナカッタゾ」


「ぐ……そのときはまだ持ってなくて、こないだのアネゴのまたたびを売ってようやく買えたんだ」


「あんたうちがあげた景品売ったんか!? 最悪やな、そんな服着んとさっさと脱がんかい!」


「え、アネゴやめ……あーーーー!」


「たく、あんたはいつも通りにしといたらええねん」


「とほほ、アネゴの爪で破れちまった。高かったのにな……」


「トコロデマダアイテハコナイノカ?」


「そうですね、一応場所も伝えておいたのでもうすぐ来られるかと思います」


「そうか、ところで相手さんはどんな人なんだ?」


「アラクネのために、魔物を呼び出し使役できる人物をお呼びしました」


「なるほどな、そいつにメスのクモを呼んでもらうわけか。完璧だな」


「モノスゴクタノシミダ。ハヤクコナイカナ」


「それで思い出した! アプデ後にペットが追加されたやんか? なんか獣を仲間にできるようになるクエストをうちのダンジョンで実施しとんねん。それでプレイヤーと一緒に魔物使いのゲストプレイヤーがやって来るようになったんやけど……そいつがめっちゃ腹立つねん!」


「へえ、俺のところには来たことないな。どんなやつなんだ?」


「とにかく終始テンションが高いんや。『やっほー! ~だよ☆』だとか『~なのだ。ずびし!』とか見とって痛いわ」


「アネゴのキャラも人のこと言えねえよな。……冗談ですごめんなさい」


「とにかく、めっちゃ腹立つのよ! ほんまに。……次言ったらただじゃおかへんからな」


「あの、みなさん盛り上がっているところすみません。実は今日お呼びした方なんですが――」


 ガチャ


「やっほー! みんなのアイドル、イリヤだよ☆ 今日はよろしくなのだあ!」



「――噂のゲストプレイヤーさん本人なんです」


「ベル兄こいつは連れてきたらあかん奴や……っていうか合コンの話出たときコイツまだ未実装やったやろ」


「データ自身は最初から実装されていたんです。性格までは分かりませんでしたが」


「猫ちゃんそんなこと言わないでよ! いつも戦ってる仲じゃない、お姉さん怒っちゃうよ、ぷんぷん」


「うるさい、うちはあんたのこと大嫌いや! さっさと帰らんかい」


「まあまあアネゴ落ち着こう、アラクネのためだから」


「うう、アラちゃんのために呼んだんやったな……我慢します」


「どわあ、めっちゃかわいいじゃねえか! お、俺はシヴァンと言います今日はよろしくお願いします!」


「シヴァンちゃんよろしくね! ベリアルさんからお話は伺ってます。そこのクモちゃんがお嫁さんを探しているんだってね。よしよしお姉さんに任せなさい!」


「アラクネデス。ドウカヨロシクオネガイシマス」


「よし、早速呼び出しちゃうぞ! 魔物召喚陣構築、ターゲット『クモ(メス)』、召喚!」




「……なあこれって普通のクモじゃねえか? さすがに小さすぎると思うんだが」


「タシカニスコシチイサスギル、オシイナ、モノスゴクビグモナノニ」


「美グモって……うちには分からん」


「イリヤ、クモではなくドレッドスパイダーは召喚できるかい? あれなら大きさは十分だと思うのだが」


「そうね、ドレッドスパイダーか……ちょっと難易度が高いんだけど、あたしがんばってみるね! 魔物召喚陣構築、ターゲット『ドレッドスパイダー』、召喚!




「おお、すげえ! 本当に出てきやがった。さすがは魔物使い」


「プレイヤーに魔物を使役する方法を教える役だからね、このくらい当然なのだよ、ずびし!」


「お前誰に向かって指差しとんねんや……ほんでその意味不明なウインクは誰得やねん」


「もう、猫ちゃんは厳しいなあ。で、今度はどうかなアラクネ?」


「イリヤ、コレハオスダ」


「え? し、しまった。メス指定するの忘れてた。ごめんごめん」


「大丈夫かよ、しっかりしてくれよ」


「次こそ大丈夫! いっくよー、魔物召喚陣構築、ターゲット『ドレッドスパイダー(メス)』、召喚!」




「ふむ、どうでしょうかアラクネ、このクモは?」


「メスダ、シカモモノスゴクビグモダ」


「やったあ、じゃあついに成功だね! お姉さんがんばったかいがあったよ」


「コイツむかつくけど、腕は確かみたいやな。よかったなアラちゃん、そのこお嫁さんにするん?」


「オレゴノミノメスダ、シカシ……」


「しかし? まだ何か問題があんのかよ」


「コノコハキコングモデ、オットモコドモモイルソウダ。サスガニホカノクモカラ、ウバウワケニハイカナイ」


「モンスターに既婚情報など組み込まれているのですね……」


「子供もいるって言ってたぞ。おいイリヤ、次は未婚のメスグモを頼む」


「ええ!? そんな情報までは組み込めないよ! ううん、こうなったら物量作戦だよ。多重魔物召喚陣構築、ターゲット『ドレッドスパイダー(メス)』、召喚!」




「ちょ、ちょっとイリヤこれは召喚しすぎではないかい!?」


「おい、まだまだ出てくるぞ!?」


「はよ止めんかい! この酒場クモであふれかえるで」


「えーと、フルパワーで召喚しちゃった。一度発動しちゃったら終わるまで止めれないの、てへ☆」


「そやからコイツ連れてくるの嫌や言うてん! うわ、ちょ、クモに押しつぶされるうう」


「コレハコノミ、コレハキコン、コレハコノミジャナイ、コレハ……」


「アラクネも真面目につがい捜しをするのは止めたまえ! みんな早く外に出るんだ、さもないと押しつぶされるぞ!」


「そんなこと言ったってドアがもう見えねえよ! おい、イリヤなんとかしろ!」


「だからどうしようもないって。

 あ! あたしゲストプレイヤーだから回帰魔法使えるんだった。みなさん今日はお招きいただきありがとうございました。またどこかで会いましょう。じゃあねー」


「「「イリヤー!」」」






さて、そろそろこの物語も終わりを迎えつつあります。

次回あたりが最終話になると思われます。

最後までよろしくお願いします。

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