表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

休日♯6 人気投票の結果

Ver2に移行

 「いやあ、まさかなあ」


 「ああ、まさかだぜ」


 「意外でしたね」


 「ナニガ?」


 「あんたのことや!」

 「お前がだよ!」

 「あなたのことですよ!」


 「アア、ニンキトウヒョウノコトカ」


 「なんで、アラクネが一位なんだよおお」


 「アラちゃんが人気あることは知っとったけど……」


 「組織票が動いたんですかね、解せません」


 「オレニモワカラン、ケドアンマリウレシクナイ。モトノカラダノホウガヨカッタ」


 「そうだ、その体詳しく説明しろよ! お前の本体はどうなったんだよお」


 「ほんまやで、今日はアラちゃん来るの遅いなあ思ってて、ようやく来たと思ったら……」


 「最初は誰かと思いましたね。ログアウトミスのプレイヤーかと思ってヒヤヒヤしました」


 「トツゼン、パッチヲアテラレテ、コンナスガタニ……」


 「追加クエストによる容姿データの変更ですね。新しいクエストではアラクネはその姿で登場するようです」


 「やけど、もうアラちゃんクモのお化けやないやん。ただのベッピンさんやん」


 「ニホンアシハ、フベンナモノダナ。アルキニクイ。フクトイウノモキモチガワルイシ、ヌイデイイカ?」


 「おお! ぜ、ぜひお願いします! ……冗談だよ、冗談。な? アネゴ落ち着いて……ぎゃあ」


 「たく、この変態が。アラちゃん我慢せなあかんで、この休日メンテナンスが終わったらその姿で仕事せにゃならんのやさかい」


 「ウウ……ガマンスル」


 「ほう、どうも公式によれば、アラクネはもともと山小屋に住む美しい女性だったという設定らしい。山小屋の一族に伝わる秘法を代々守ってきていたようだね。しかしつい好奇心に負けて秘法に手を出してしまい、クモの化け物にかえられてしまった。

 プレイヤーはアラクネの叔父からその話を聞き、アラクネを元に戻すというのが新しいクエストの内容らしい」


 「え? ほなアラちゃん今度からボスじゃなくなるん?」


 「いや、どうも期間限定のクエストらしい。次回の休日メンテナンスにはもとに戻るそうだよ」


 「ヨカッタ、コンナスガタデハハズカシイカラナ」


 「そうか? 俺はどちらかというと今のほうがいい気がするなあ」


 「それが、熱烈のアラクネファンの方々はお怒りのようだよ。ほら、

 

 『アラクネ様はクモだから萌えたんだ。人になったらただの美少女興味ねえ』

 『服着てますやん。萎えた』

 『運営、バカやロー! 抗議行て来ます」


 だってさ、運営も急遽限定クエに切り替えたようだね」


 


 「やけどさあ、どうしても納得がいかんのよ。なんでうちが15位中12位でシヴァンに負けなあかんねん」


 「たったひとつの差じゃねえか、12位も11位も変わんねえよ」


 「アネゴはどうもキャラが痛々しすぎるみたいだね。……怒らないでくれよ?」


 「くううう、ベル兄に言われるとなんか悲しいわ」


 「俺とベリアルの扱いの差な、俺だったらぶっ飛ばされてたわ」


 「イケメンは正義なんよ。ベル兄は何位やっけ?」


 「5位ですね、もう少し上にいけると思っていたんですが……いやはや世界は広い」


 


 「もうええわランキングの話は……

 そうや、みんなバレンタイン仕様どないやった?」


 「おう、俺のところはものすごかったぜ! 遺跡自体には手は加えられていなかったんだが、ポップするモンスターが全員チョコレートかぶってたんだ。スケルトンにいたっては全身チョコレート骨格、美味そうだったぜ」


 「私のところはモンスターには変化がなかったな、その代わり流れる溶岩がとけたチョコレートに変わっていたよ。ぐつぐつ煮えたぎるチョコレートに多くのプレイヤーが飛び込んでいたな」


 「うわ、それはちょっと羨ましいかも。うちも飛び込みたかったわ。アラちゃんのところは?」


 「オレノトコロハナニモカワッテナカッタ。スコシザンネンダ」


 「そっか。じゃあこのチョコレートあげるわ、ここ来る前に一つだけ拾っといてん」


 「アネゴ……アリガトウ、スゴクウレシイゾ!」




 「そうだ、少し提案があるんだけど。次回の夜会は違う場所で集まらないかい?」


 「場所替えか? 俺は別に構わねえけど、どこにするんだ?」


 「カジノさ。今回のアップデートで新しく追加された場所なんだが」


 「カジノ! そういえば追加されとったな、うちも行きたい思っててん。賛成、大賛成!」


 「カジノか、悪くねえな! 俺も賛成だ。今から楽しみだぜ」


 「カジノッテナンダ?」


 「カジノはコインをかけてゲームを行うところだ。プレイヤーはためたコインと引き換えに景品をもらうことが出来るんだ。我々の場合は交換は出来ないからゲームを楽しむだけになるけどね」


 「ナルホド、オモシロソウダナ」


 「やけど、景品ないんは悲しいな。そうや! 各自景品を持ち寄って、コインが多かった人順に好きな景品を選んでいくってのはどうや?」


 「それはいい考えだね。よしではアネゴの案を採用しよう。次回は各々景品を持ち寄って、カジノに集合だ。それでいいかな?」


 「「「ハーイ」」」


 「見ろよ酒場の親父のほっとした顔をよ、ようやく休みがとれるってか」


 「いつもおおきになおっちゃん。次回はゆっくり休んでな。

 ほな、みなさんそろそろ帰るとしましょか。次の夜会でまた会おな」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ