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竜は金になるようです

ギルドマスターであるギリクとの些細な、いや俺にとっては些細ではないがギルドの職員さんたちからすれば些細なことらしい出来事はあったが、結果を言おう。

ん?何の結果だって?

そりゃ決まってるじゃないかギルドカードなしの素材の買取りの件だよ。

まさか忘れちゃってるわけ・・・・・

まぁ、確かにね、素材の買取りの話をちゃんとできるまでには時間もかかりましたよ。

でもね、さすがに本題を忘れるのはどうよってことなのよ。

いい?

何事もほ・・・・・


「要、要、おい!聞いてるのか要!」


俺が誰かもわからないような人に対して説教を垂れようとしていたらギリクの俺を呼ぶ声に意識は現実に戻ってくる。


「聞いてるつうの。少なくともギリクの100倍は聞いてるわ!」


「なにを!俺が話を聞かない男だとでもいうのか!」


「え・・・自覚してなかったのか。どう考えても話を聞いてないだろ!いいか?お前のせいで何度も話が脱線していっこうに進まなかったんだ。俺の逼迫した懐事情を知っているならば話はスムーズに進めていたはずだ。つまり、お前は話を聞いていない!」


俺はそう言って思った。

さっきの説教を垂れようとしていた開いてってギリクだったんじゃないかって。

決してみなさんじゃないと思う。うん。


「まぁ、話を聞いているいないなんて今は重要じゃない。取り敢えず、これ以上は言わない。で、いくらになったんだ?」

俺はギリクに素材、行ってしまえばここに来る途中で実験台にしたやつだが、こいつの売却額をギリクに確認する。

そう確認する。

話を聞いてなくて聞き直すんじゃない。

確認するんだ。

あ、あと言っておくがドラゴンを出したときにギリクは切り口がどうとか、このドラゴンはどうとかいろいろしつこく迫って来そうだったからちゃんとぶっ飛ばしておいた。

それも、ギリクが何も言う前に。

どうせ素材の鑑定とかは職員さんたちがやるわけだし全く問題なく進み、今復活したギリクが俺に売却額を教えてくれているわけだ。

ちなみにドラゴンはちゃんと10倍に増えていたので10匹血の一滴に至るまで全部出した。

だって、ストレージの中にいてたままだとなんか臭そうだもん.



「1000万テルだ」


あれ・・・1000万とか言ったのは気のせいだよね。


「気のせいじゃない。事実だ」


あれ、俺の心読まれてる?

まさか、ギリクの能力は心を読むことでそれを使ってギルドマスターに・・・・

ギリク恐るべし!!!!


「後半は分からないが、前半は分かるから言っとくが俺は心は読めないぞ。ただ、お前の顔に書いてあっただけだ」


なんと、顔に書いてあると。

鏡はどこだ鏡はどこだ。


「鏡なんてこの部屋にないぞ。それに顔に書いてあるってのはな、お前の表情から読み取れるってことだ。安心しろ顔には何も書かれていない」


なるほど・・・・って重要なのはそこじゃない。金額だ。

1000万だ。1000万なのだ!

100や1000じゃない1000万だ。

つまりは、30年ぐうたら過ごせる金額ってことだ。

そうか、これが大金をふとした拍子に手に入れた者たちが身を置く世界か。

何と周りに敵が多いんだ!

きっと、このギルド内、いやギルドの外と奴らも俺を狙っているに違いない!

こ、こうなれば仕方ない。

預けるんだ。

銀行のようなところに。

そうすれば俺は解放される!


「な、なあギリク。そのお金を・・・預けることのできるとこはないか?」


ギリクは敵に見えない。

なぜか、たぶんギリクならばぶっ飛ばせばいいだけだとわかってるからだ。

そしてそれは喜ばれることだからだ。

うむ、だから、ギリクに聞いた。


「なんか失礼なことを考えているような気がするが、まあいい。金ならギルドに預けることができる。というかぜひそうしてくれ。1000万テルは決して払えない金額ではないが、かといっておいそれと払えるような額でもない。だから、預金という形にしてくれると助かる。ちなみに利子もつくぞ。年利0.01%だが」


「た、たすかったぁ。1000万テルなんて大金持ち歩けないよ。じゃあ、10万テルぐらい貰ってあとは預金ってことにしといて。ところで、必要な時はギルドに来れば引き出せるの?」


「ああ、そうだ。」


「なら、お金の心配もなくなったし早速宿屋探しだ!」


お金の心配がなくなったから別にギリクのうちに行く必要がなくなったのだ。

それにちょっと宿屋暮らしというのも楽しみである。

別にギリクがホモだなんて思っちゃいない。

断じて。


「お、おい。うちにくるんじゃ・・・」


「いや、やっぱりわるいかなって。それにお金あるし、宿屋暮らしも楽しそうだしね。だからやっぱ、宿屋を探してみるよ」


本心は決して言わない。

それが重要だ。


「そうか、じゃあ気を付けろよ」


その言葉を最後にして俺は〈ぎるどますたーのへや〉を出た。

そして、職員さんから10万テルを受け取って要塞のようなギルドを出る。

さて、これから今晩の宿を探しますか。

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