ギリク再び
しばらくしてギリクが復活した。
「さっきはすまなかった。」
開口一番謝られた。
「まあ、いいよ。俺も殴ったし。」
「そうか、それでだなお前の身体能力の事なのだが、はっきり言ってどう表記していいかわからん。一応SSSと表記することもできるのだがそれだと実力より下になってしまう。全く困ったものだ。だからどうするか対応を決めるためにしばらくギルドカードを発行できないんだがそれでもかまわないか?」
「やっとまともな話か。」
「そのために呼んだんだからあたりまえだろ。」
「ま、そうか。」
出来れば、ここで構わないと言いたい。
そうすれば特に問題なく時間がたてば俺のギルドカードはできるだろう。
だが問題がある。
俺はこの国のというかどんなお金も持っていない。
だから何をするにしてもお金は稼がないといけない。
そのためにはギルドカードを手に入れて仕事をしなければならない。
よって俺はすぐにでもギルドカードを手に入れる必要があるのだ。
「なあ、ギルドカードってなくても仕事できないのか?」
一応聞いておく。
「無理だ。ギルドで仕事を受けることはできるだろう。俺たちは事情を知っているからな。だが、依頼者たちは事情を知らない。だから、怪しいやつが来たと思われるだけだろう。」
やっぱりだめか。
「なら、素材の買取りってギルドカードなしでもできない?」
「それならできるぞ。なんだお前、金がないのか?」
「そそ。一切持ってないんで何とかして稼がないと食事もとれない。」
「そうか、・・・・ならうちに来い。こっちの都合で迷惑をかけるからな。ついでにお前素材なんて言っても持ってないだろ。どうせ今から取りに行こうとしていただろ。危ないからやめとけ。いくら身体能力に優れていたとしても不意を突かれたらやられることもある。」
「えっといいのか?」
「ああ、構わない。お前のことも気になるしな。」
「お前実はホモだったりする?」
「いや、いたってノーマルだぞ。」
「そうか。」
「そうだ。で、どうするんだ?」
「じぁ、宜しく頼むわ。」
「おう。」
「あ、でも、一応素材は買い取ってくれないか?」
「あ?どういうことだ?どこにも持ってないじゃないか。」
「いや、持ってるから。何というか、そう謎空間の中に入ってる。」
そう言って「ストレージ」を出して見せる。
「おまっ!!!ストレージが使えるのか!しかし、魔力はどうしているんだ?お前10しかなかっただろ。」
「えっと、まあ、なんというか、いろいろあってね・・・・・」
「そうか!!!これが東国に伝わるスキルとかという奴か。」
なんか勘違いをしているようだ。
しかし、わざわざ教えてやる必要もないしそっちの方が都合がいい。
「そんなもんです。」
「おおおおおお!!!!どうやって使うんだ?どうしたら使えるようになるんだ?どこで教えてもらえる?おまえは教えられるのか?というかスキルって魔法とどう違うんだ???」
すごい勢いで迫ってきて、要の体を揺さぶりながら聞く。
もちろん俺はおっさんに掴まれてもうれしくないので、ギリクを蹴り飛ばした。
ギリクは飛んでいった。
それはもう勢いよく。
そして壁に激突し、動かなくなった。
再び意識を失ったのである。
これでギリクをやっつけたのは3度目であるが全く後悔はしていない!!
ギリクが復活するまでの30分、再び俺は暇になるのであった。
その間に再び音に驚いたギルドの職員が来て俺が事情を説明。
職員に感謝されて、今度はギリクを20回ずつ蹴飛ばして、俺と職員の中がさらに深まったことは微細な出来事であろう。
感想あると嬉しいです。