最初は森と確認作業
バスの中で小説は書くものじゃない。
たとえどんなものでも。
気が付いたら周りの景色が一変して森の中にいた。
なぜ森に送られたのか気になるが取り敢えず現状の確認をする。
服は死んだ時のままで制服を着ている。
正確には下着、カッターシャツ、制服上下である。
死ぬときに持っていたカバン(教科書などが詰まった)はない。
また、制服のポケットに普段入れていた携帯電話、生徒手帳、財布もなくなってる。
何はともあれ服があることに感謝したらいいのか、いろいろなものを持ってこれていないのに制服なんて動きにくい服だけ持ってこれていることを恨めばいいのかよくわからない。
でも、そんなことはどうでもいいのだ。
とにかく現状で一番大事なことは持ち物の中に水および食料が一切ないことである。
これは危機的状況だ。
これが、送られたところが町とかだったならよかったのだが・・・・なんだか田中(神)が恨めしくなってくる。
しかし救いはある。
ここはパッと見森だ。
探せば川とか獣とか見つかるだろう。
さすがにいきなり獣を殺して食うのはなんだか思うところがあるが、いざとなったら何とかすると思う。
うん・・・たぶん・・きっと・・・
ということでまずは川を探そうと思う。
そこで問題になってくるのが川を探す方法なのだが、頭をひねってみる。
考えること数分。
俺は今、全力疾走をしている。
どうやって川を探す?
まず目視は・・・できない。
音は・・・聞こえない。
地図は・・・あるわけない。
土の湿り具合からわかったりは・・・するわけねえ。
いや、無理でしょ。
どこに流れているかもわからない川を探すなんて。
こんなプロセスを経て完全にあきらめました。
仕方ないので走り回ってみることにした。
こちらの人間の50倍の身体能力を持っているはずの俺が全力を出せば簡単に川なんて見つかると思っての行動、などではない。
ただむしゃくしゃしたから走っただけ。
そして今に至る。
こちらの人間の50倍って言ったらどんなもんかと思ったら、速い速い。
周りの木々がビュンビュン後ろに消えていく。
たまに木にぶつかるが何のことはない、ちょっと痛いが木が倒れるので全然問題なく走り続けられる。
「ひゃっほーーーーーーー」
そんなことを叫びながら走っていると突然視界が開けて・・・
俺は川に落ちた。
グボッ
ゲボッ
ゴポゴポゴポゴポッ
やべえ。
溺れる。
いきなり川に出るとかないわ。
グポッ
あ、足がつった。
誰か助けてええ。
結局誰も助けてはくれなかった。
しかし、こちらの人間の50倍の身体能力で頑張って岸にたどり着いた。
服が水浸しでかなり寒い。
おかげで頭が冷えてまともな判断ができるようになったのは良かったのか良くなかったのか。
とにかく、今から何をするにしても服を乾かしたい。
乾かさないと風邪ひきそう。
そのためには火を起こさないとな。
あれ?
火ってどうやって起こすんだっけ。
ライターとかないな。
じゃあ、あれか。
木を木とこすり合わせるやつをやらないといけないのか。
取り敢えずやってみよう。
周りを見回して落ちている木の棒と板がないか探す。
もちろん乾いた木をだ。
ちょっと探すとすぐに見つかった。
残念ながら木の板というより丸太だったが、断固として木の板と言わせてもらう。
さて、頑張りますか。
木の板を下に置く。
そして、木の板のくぼみに木の棒を当てて。
木の棒を手で回す回す回す回す回す。
とにかく回す。
しばらくすると、ちょっと焦げ臭いにおいがしてきた。
さてもう一頑張り。
回す回す回す。
結構長い間木の棒を回し続けていた。
しかし火は着かない。
そこで気づいた。
火をつける物がない!!!
確かおがくずを当てて少し火がついたらフーフーとするんだったけ。
そうとなれば即座に実行だ。
まずはおがくずを探す。
これは、すぐに見つかった。
というか作った。
作り方は簡単。
乾いた木を持ってきて手で握りつぶすだけ。
簡単に握りつぶせたときは戦慄が走った。
何はともあれおがくずを当てて再度木の棒をまわす。
しばらくすると焦げ臭いにおいが漂ってきた。
そこでおがくずに息を吹きかける。
フーフー
少し赤くなった気がした。
しかしすぐに消えてしまう。
フーフー
もう一度息を吹きかける。
今度は完全に火が消えてしまった。
ちくしょう。
うまくいかねえじゃねえか。
めんどくせえ。
なんかないのか。
そうだ、俺の力を使って解決してやる。
確か無属性魔法。
いや、エネルギーを操る能力だっけ。
ならば、熱エネルギーを大きくしてやればいいだろう。
さて、どうすれば使えるのか。
試しに集中してみよう。
ジーーー
ハッ!
集中していると俺の周りを渦巻くエネルギーが感じられた。
よし!
最初はできた。
なら次は、少し気の棒を回す。
そして、そこに生まれたエネルギーに大きくなれ大きくなれと念じる。
これで成功すればラッキーだ。
すると、少し焦げ臭いにおいがしていただけなのがボウッ!!と火が付く。
できた。
いやぁうまくいってよかった。
うまくいかなかったらどうしようかと思ったよ。
火が消えたら困るので拾ってきた木を火の中に放り込んでいく。
もちろん木は乾燥している奴だ。
十分火が大きくなり安定してきたので周りに服を棒に引っ掛けてつるす。
ついでに自分も火にあたり冷えた体を温めておく。
すぐに体は温まった。
しかし服が渇くにはまだ時間がかかりそうなので、自分の能力を確認してみたいと思う。
まずは身体能力。
これはこちらの人間の50倍というだけあって確かに高い。
木を簡単に握りつぶせるだけの力があることは分かっている。
次に無属性魔法。
正確には違うみたいだがエネルギーを操る能力と毎回いうのは面倒なので無属性魔法と言わせてもらう。
これはさっき周りのエネルギーを見てから感覚がつかめたようで、自分の周りのエネルギーを随時感じることができるよになっている。
また、エネルギーに干渉するにはそのエネルギーにどのようになってほしいという概念を送ればいいようである。
それと、さっきからほかのエネルギーと違い、俺の周りをふよふよと漂っているエネルギー(魔力というものなのだろう)が一番干渉しやすいようだ。
最後にストレージ(チート)
これはまだ試していない。
ということで早速試してみたい。
さて、
「ストレージ!」
叫んだ瞬間に体の奥から何かが抜けていくような感じがして・・・・
俺は意識を失った。
ハッ!
気がついた。
俺は確かストレージを使って気を失ったのだっけ。
幸いなことに大して時間は経ってないようだ。
しかし、なぜいきなり気を失ったのだろう?
うーむ
あれだよ。
なんか引っかかっているんだが・・・
えーと。
ああ!
やっと気づいた。
俺魔力量こっちの人間の100分の1だった。
そして、ストレージも魔法の一つということだろう。
つまり、それだと俺は魔力量がないからストレージ使えないな。
さて、どうしたものか。
確かストレージを使ったとき身体から何かが抜けていくような感覚がしたな。
つまり抜けていったのが魔力と言うことか。
しかし、俺が持っている魔力ではストレージを使うのには足りない。
というか魔力切れると気絶するんだな。
ま、それはおいといて。
ならば俺の魔力を使わずにストレージを使えばいい。
つまり俺の周りにふよふよと漂っている魔力を代わりに使えばいいと言うわけだ。
そうとなれば試さないとな。
こう、俺の周りの魔力を集めて。
「ストレージ!」
勿論本来俺の魔力を使うとこを集めた魔力を使うように力の流れを調節するのを忘れない。
集めた魔力か使われてなくなっていく。
そして、目の前に黒いぽっかり空いた空間が生まれた。
恐る恐る中に手を入れてみる。
何もつかめない。
ま、当然か。
なにも入れてないんだし。
手を出す。
はまって抜けなくなるなんて事はなく簡単に出せた。
これで俺でもストレージを使えることが分かった。
その後俺は服が乾くまでストレージについてしらべた。
分かったことは、3つ。
1つ目はストレージはどこでも認識できるところなら出すことができる。
つまり目の前以外にも出せるということだ。
2つ目はストレージには何でも入れられるという事だ。
生きている生きていないは関係ないという事ととってくれればいい。
これは、そこらへんにいた虫をほうりこんでたしかめた。また、俺もなかには入れた。入ったときにはどうやって出ようと悩んだが元いた場所をイメージしてストレージを使えば問題なく出られた。
これを使えばワープもできると思う。
3つ目はストレージの中に生きていない物を入れると量が10倍に増えると言うことだ。
これで物資には困らないな。
これらのことが分かって俺が思ったこと?
そんなの決まっている。
チートすげええ!!!!!
こう思ったにきまってんだろ。
あとがきに何を書こうかな、と考えている。
この時間は無駄なのだろうか。
物資にほ困らない⇒物資には困らない