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よくある神との対面

2話目。

気が付いたらそこにいた。

そこは真っ白い空間だった。

こんなところは今まで見たことがないし聞いたこともないので天国とか地獄とかと言われているようなものだと推測する。

つまり俺は本当に死んだということだ。

となると冒頭の〖気が付いた〗というのは少しおかしいような気もする。

死んでいるならば体はなく脳もない。

しかし人間の意識は脳や体とリンクしているはずである。

ということは〖気が付く〗などということはないのかもしれない。

所詮ただの高校生が考えたことなので正しいとは思わないが、気になったりはするのだ。

よく考えると〖考える〗というのもおかしいかもしれない。

しかし今は考えているのであって・・・・・

ああっ!、こんがらがってきた。

こんなしても意味のないことはやめよう。

取り敢えず現状確認をしたい。

俺は死んだ。

これは十中八九正しい。

なぜなら俺は車にひかれた時のことを覚えているから。

死んだ瞬間のことは分からないが少なくともあの勢いで車にひかれて生きているということはないだろう。

そしてこの真っ白の空間は天国か地獄なのだろう。

まぁ、いくらなんでも何もなさすぎるのでもしかしたらそういう地獄なのかもしれない。

はっきり言ってこのことには自信がない。

実際に天国や地獄を見たことがある人なんていないし、こんなに何もない天国などないだろう。

地獄だとしても閻魔様による審判みたいなのが先にあるはずだ。

なかったとしてもいきなり地獄に送られるのはどうかしていると思うし、第一地獄に送られるような悪いことはしていない。

それから俺は歩ける。

正確には歩けるではなく動けるなのかもしれないが移動はできるようである。

そんなこんなで現状を確認しているときだった。

いきなりこの真っ白な空間が色づいた。

そして、壁ができて部屋になる。

部屋の中心には4人掛けの机が置かれている。

もちろん椅子はセットになっている。


「遅れてすまんの~~」


声が聞こえた。

前を見てみると今さっきまで誰もいなかったはずなのに一人の老人が立っていた。

いきなりこの空間が部屋にかっわたことにも驚いたが、老人がいきなりあらわれたことのほうがよほど驚いた。

「いや、驚かせてすまんかった。」


「いえ、お気になさらず。」

「ところで、あなたはどなたですか?というより今俺はどういう状況に置かれているんですか?」


「ああ、わしはお前たちが神と呼んでいる存在のうちの一人じゃな。いろいろお前たちは勝手に神に名前を付けているが、神には名前がなくての。取り敢えず、田中とでもしておいてくれ。」

「次にお前さんの置かれている状況なのじゃがな、所謂、異世界トリップという奴をしてもらおうと思ってわしがお前さんをここに呼び出したのじゃ。」


神様、田中って適当すぎだろ。


「いや、適当ぐらいがちょうどいいんじゃよ。」


こいつ心が読めるのか!


「よめるぞ。しかし、こいつとはひどい言い草だの。」


「こいつなどと言ってすいませんでした。」

そう言って頭を下げる。

気分を害したなら謝らないとね。

「あの、心が読めるなら別に俺言葉を話さなくてもいいですよね。なんかちょっと違和感があるので。」


「いや・・そののう。一応言葉を話してくれんか。ここ100年ほど言葉を話すものと会う機会がなくての言葉に飢えておるんじゃよ。」


「そういうことならば。ところで、さっきから違和感があるんですけどどうしてなんでしょうか。」


「事故の時の影響じゃな。死んだときにいろいろぐちゃぐちゃになっておったから今もその感覚が少し残っているんだろうて。安心せい、しばらくすれば治るぞ」


「あ、そうなんですか。じゃあしばらくこのまま話していればいいんですね。」


「そうだの。」

「そうだ、お前さん。自分の死んだ瞬間を見てみるか?」

「自分の死んだ瞬間を見れるなんてめったにないことなのだぞ。」

「どうだどうだ。」

そういいつつ田中(神)グイグイ近づいてくる。


「そんなに近寄ってこなくてもいいでしょう。そんなに見てほしいなら見ますよ。見ればいいんでしょう。」


「ほれ、これじゃよ。」

そう言いつつタブレットPCのようなものを手渡してくる。


「これタブレットパソコンですよね・・・・」


「きにするな。神だって人間と同じことをしてみたい時だってあるんじゃ。」

「そんなことよりほれ、見ないのか?もう始まっておるぞ。」

田中(神)に促されて見てみる。


うえっ

はきそうになった。

「なんてもの見せるんだぁーー。」

思わず叫んだ。

そして、タブレットPCでもって田中(神)の頭を全力で叩いた。

相手が普通の人間ならばタブレットPCが壊れて相手も気絶ぐらいはしただろう勢いだった。

が・・・何も起きなかった。

どちらも無傷だったのだ。

もちろん田中(神)は怒るわけで。


「何するんじゃ。」


「いや、正常な反応だろ。グロすぎるんだよ。俺の脳みそが車に引きずられて頭蓋骨が削れて見えていることろとか、俺の自転車のハンドルが俺の目に突き刺さっていて眼球がつぶれているとか。見せるなよ。そんなもん。もっときれいに死んでいる姿見せろや。」


「むうう。確かにそうかの。」

「すまんかった。」


「もうこんなことはやめてくださいね。ホントに。」


「うむ。わかった。」

田中(神)はどうやら理解してくれたようだ。


さて、ええっとたしか、なにか田中(神)に聞かなければならないことがあったような、なんだったっけなぁ、う~~んっと、え~っと、ああ、あれだそうだあれだよ。


「異世界トリップってどういうことだよ。」

すっかり忘れていた。これは絶対田中のせいだよな。


「そのまんまの意味なのだがの。」


「いや、経緯を説明してくださいよ。経緯も知らないでいきなり異世界に行くなんて御免ですから。」


「そうなのか。ならば説明させてもらうぞ。」

「まず、お前さんに行ってもらおうと思っておる世界には神が普通に存在を知られておる。お前さんがいた世界にも神はいるんじゃが生きている間は手出しをしない奴らだから神に会うことなんてなかっただろうし、神がいるとも思わなかったじゃろ。一方でこれから行ってもらおうと思っている世界では神が加護を与えているんじゃ。ここまでは理解してくれたかの。」


「まぁ、だいたいは。」


「そして、その加護のおかげでたいていの問題は解決できるんじゃ。しかし、解決できないときもある。そんなときに使うのが今回のように、どこか別の世界の者に来てもらうということじゃ。わかったかの。」


「一応わかった。ところで、問題ってどんな問題なんだ?」


「いろいろあるんじゃが、たいていは魔王が生まれたとかじゃな。」

「いきなりなんだが、お前さん口調が最初と変わってるの。」


「こっちが素だ。」


「ということでお前さんに異世界に行ってもらおうと思ってここに来てもらったのじゃ。」


「あれ?別に俺じゃなくてもよくない?ここに来る必要もないし。」


「よくないんじゃよ。いきなり異世界に行って死なれても困るからの。異世界に行っても大丈夫そうな適性を持った者を選んで送っているんじゃよ。これが意外といなくての。結構見つけるのに苦労するんじゃが、今回は運よくちょうど適性のあるお前さんが死んだのでラッキーと思って呼び出したのじゃ。ここに呼んだのは同じくいきなり死なれないために事情を説明するためじゃ。」


「なるほどね。」

「あのさ、こういうときって神様がチートとかくれたりすると思うんだけどくれないの?」

「というか、俺がいく世界ってどんな世界なんだ?」


「お前さんがいく世界は剣と魔法の世界じゃよ。」

「それで、チートはちゃんとあげるからの。というわけでちょっとこっちに来てくれんか。まず、お前さんが向こうの世界に行った時の初期の能力を知っておきたいのじゃ。」


田中(神)にそういわれたので近づくと頭に手を乗せられた。


「おい、頭に手を乗せる必要はあるのか?」


「ないの。」


「じゃなんで乗せたんだよ。」


「人間に前に触ったのが165年ほど前だったからつい珍しくての。」


「俺は珍獣じゃねえ。」


「それは置いといての。お前さんの初期状態の能力が分かったぞ。」


「どんなんだ?」


「こんなのじゃ。」

そういって紙を見せてくる。


ステータス

身体能力 5000

魔力量 1

魔法適正 あえて言うなら無属性魔法


※現地の者の平均は100


いろいろ突っ込みどころのある内容が書かれていた。


「あーーうん。まず確認するけど身体能力と魔力量と魔法適正って何?」


「身体能力は膂力とかのことで、魔力量は魔力つまり魔法を使うために使うエネルギーの量のことでことで、魔法適正は魔法には属性があるのじゃがどの魔法が使えるかということじゃな。」

「つまりお前さんは魔法を使わずに殴り合いをするタイプってことじゃな。」


「やっぱりか。じゃあ、あえて言うなら無属性魔法ってどういうことなんだよ。」


「それがな~。お前さん特有の能力みたいでの向こうの魔法で一番近いやつで書かれているんじゃろうな。」


「詳しくはどういう能力かわかるのか?」


「もちろんわかるぞ。えっと、周りのエネルギーを操る能力じゃの。しかも使用に一切魔力を消費しないみたいだぞ。」


「便利そうだな。とういか完全にチートだな。」

「ところで今の状態でもかなりいいと思うんだがチートはくれるのか?」


「そこは問題ないぞ。別に初期能力が高くてもチートはやるぞ。」


「で、どんなチートをくれるんだ?」


「普通なら魔力量100倍とかなんじゃがな~」

「1を100倍してもの~」

「困ったもんじゃ。」


「う~ん。ならあらゆるものを仕舞っておけるそうこのようなチートをくれないか?」

異世界に行ってあったら便利そうだから、頼んでみる。


「ストレージのチート番かの。」


「そうそう、そんなやつ。」


「おぬしがそれでいいのならいいんじゃが。」

「本当に良いのかの?」


「もちろん、自分で望んだんだからいいに決まってる。」


「それじゃあ、そういうことで異世界に行ってくれるかの。」


「まぁいいよ。どうせ死んだんだし。生き返れるなら異世界だろうと上等さ。」

「一応やらなければならないことがあるなら聞いておくけど。」


「いや、お前さんの自由じゃな。勝手にやってくれて構わんぞ。」


「そうか。ないなら気が楽でいいや。」


「ま、せいぜい頑張るのじゃぞ。」

言い終わるとともに田中(神)は手を横に軽く振る。

すると俺の周りが白く輝きだした。

「行ってきます。」

最後にそう言い残して俺は異世界に旅立った。




武富 要が異世界に行った後で

「あ、行き先について女尊男卑が普通て教えるの忘れておったの。まぁ今更じゃな。さて次はいつ人に会えるかの。」と神が言っていたのは本人しか知らない。

次回からの舞台は異世界。

コメントなどは期待してないけど・・・0は寂しい。

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