ままある死に方
思いつき
世界を男神様と女神様が作った。
また、男神様は男を女神様は女を作った。
二人の神様はそれぞれ自分が創造したものに加護を与える。
しばらくは平穏な日々が続いた。
しかしある日世界は一変する。
男神様が引きこもってしまった。
そしてこの世界の男に与えられていた加護はなくなる。
すると女が勢力を伸ばし世界には女尊男卑の風潮が広まっていく。
武富要は普通の高校2年生である。
特に勉強が得意なわけではないが一応塾に通い何とか地元の公立進学校に進んでいる。
特に特技とかはない。
1年生の時に高校生になったので何かが変わる。
具体的には女友達ができて、一緒に遊んだり、ハプニングがあったり、窓からグランドで体育をしている人を見ながら黄昏てみたり、バイトをしてみたりなどいろいろ変わると思っていた。
しかし、実際には何も変わらなかった。
今まで通り男子は男子でかたまり、女子は女子でかたまった。
ハプニングなど起きず今も平和であり、黄昏ようにも窓側の席にならないし、グランドは見えないし、窓の外を見ていたら見ていたらで先生に見つかり怒られる。
バイトなど校則で禁止されており見つかったら退学である。
そんなことで中学と何も変わらず平和にかつ不変的に日常が過ぎて、今高校2年生に至るのである。
今日は始業式である。
始業式は1年の時は重要な行事だと思い、緊張するものだが2年にもなってくるとただだるいだけの時間になっている。
なので、特に参加したいなどと思わない。
しかし、参加しなければ当たり前だが先生に怒られる。
別にいいじゃないか、始業式など形式的なものだ。形にとらわれるな。
そんなことを言っても無駄である。
この高校は形にこだわるのだ。
形の次に中身だ。
公立の進学校なんてだいたいこんなものなのだろう。
よって、始業式には参加が義務付けられているようなものなのだが、ただいま俺は遅刻しそうだ。
前述したように様々な言い訳が出てくるのだが、どれもが意味をなさない。
始業式をすっぽかすのはまずい。
よって、間に合うかどうかは分からないが、今更ながら全速力で学校に向かっている。
俺は電車などで通学はしておらず、自転車通学である。
おかげでこの状況でもまだ始業式に間に合うという希望はあるのだ。
そんなこんなで息を切らしながら全力で自転車をこぐ。
目の前の信号が青から赤へ変わろうとする。
始業式に間に合うにはこの信号を今わたりきらなければならない。
これを逃せば遅刻は必須である。
赤に変わるが変わってからいまだたいして時間はたっていない。
つまりまだ車は来ていないということだ。
今ならばこの交差点を渡れる。
そう思い、周りをよく見ず俺は飛び出した。
そして・・・
・・・車にはねられた。
赤信号なのに渡ろうとしたことと、急いでいたため周りをよく見ていなかったことが原因だ。
急いでいたのは遅刻しそうだから。
もし遅刻しそうでなかったら。
もし急いでいてもしっから周りを見ていたら。
そもそも赤信号を渡ろうとしなければ。
今更後悔しても遅いが後悔は尽きない。
しばらくして俺の意識はなくなった。
やっと死んだ
次回はよくあるように神様に会うでしょう