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○×4!!  作者: kurokuma
3/5

うしろの、謎の視線!!

拓人と同じ駅なので、電車を降りたあとも、途中まで一緒に帰っていた。

『竜輝・・・』 「なんだよ」

『オレ、ちょっと用事思い出したわ、先帰る』 「あっ、おい」

なにかあるのならばかまわないが、

先ほどから視線を感じるので、なんだか一人で居るのは怖い。 なんでこんなところでストーカーに遭わなくてはいけないのか?

振り返ると、店の看板や電柱に次々に隠れていく人影が見える。 というより、丸見えだ。 そして、どこかでみたことのある人影だ。

「おいっ」 『なに?』

そこで返事をしてはストーカー失格だろ。

「おまえ、実はバカだろ?」 『は?』

バカだ。

「何しにきたんだ?」 『あんたの母さんに会いに来たのよ』 「なんで?」

今日のおかずのことだろうか? それならオレに頼めばいいんだ。 まぁ、それを知られたらまずいのだが。

「ただいまー」 『お邪魔します』

なんだかんだで、彼女をまくことができずに、家に来てしまった。

「母さんは遅いけど、それども待つのかよ?」

『さっきも言ったでしょ、待つって、それともなに? 自分が変なことをしそうで怖いのかしら?』

「おれはどこの変態だ!! そうか、だったら勝手に待てよ」 『えぇ』

なんて口が悪いのだろう? 学校ではそんな姿をまったく見せないのに。 とりえず、時間が時間なので晩御飯の準備を始めた。

『なんであんたが料理しているのよ』 「いつも帰りが遅いから、それなりに料理できるようにしているんだよ」

それなりに、って言うのはウソだけどな。

『ただいまー』

リビングに入ってくるなり母は驚いている。

『え? 竜輝? 彼女ができたの?』

まぁ、キッチンで料理している隣に女の子がいたら、こんなことを言ってもおかしくはない。

しかし、こんなに口が悪くてストーカーをするのはこちらから狙い下げだ。

『まったくもって、違います』

気がなくても、そこまでキッパリと否定されるとかなりつらい。

『よくわからないけど、せっかくだし、みんなでご飯食べましょう』

なんでここまでのんきなのだろうか? 息子であるオレすら怖い。 顔に似合わず、ご飯にがっついている。性格といい、もう少し女の子らしくして欲しい。

『いっぱい食べるねー』

ほんとにこの人はのんきだ。 食事も終わり、お茶を用意していたのだが、なんだか話が弾んでいる。

女性同士、気が合うのかもしれない。 男は黙って食器でも洗っていようと思う。

『師匠、私に料理を教えてほしいのです』 『いかがして料理を学ぼうと?』

なんてノリノリなんだ。大体、母さんは料理なんかぜんぜんできないだろう? 言葉に責任持ってください。

『竜輝~』

あー、なんか嫌な予感がする。

「なんだよ、かあさん」 『竜輝師匠お願いします』

やっぱりそうきたか、ほっぽり投げやがった。

彼女は驚いた顔でキッチンにいるオレを見ている。それも無理はない。 だって、さんざん嘘ついてきたからな。

『ど、どういうこと?』

面倒だけど、説明するしかない。

「オレが料理好きだってこと、知られたくなかったんだよ」 『どうりで、女々しいと思ったわ』

なんでそうなる。

「うるさいな、そんなこと言うなら教えないぞ」 『この際、あんたでいいわね』

会話になってない。

「じゃあ、聞きたいことがあるんだけど」 『ハンバーグの作り方教えなさい』

話を聞け、それ以前におまえはハンバーグすら作れないのか?

「いや、だから、どうして料理をするんだ?」 『いいから、教えなさい』

きりがない。

「わかったよ、いつまでに教えればいいんだ?」 『あさってまで』

さすがに早すぎる。こんな時間だし、明日は学校、何より材料がない。

「それはムリだろ」 『いいからはやく』

強情すぎだ、絶対こんな奴とは付き合いたくない。

もし付き合ったら、高級ブランドを無理やり買わされそうだ。それ以前にそんな金はどこにもないが。

「あー、わかったよ、じゃあ、明日の朝までに材料用意しとけ」 『なにを用意すればいいのよ』

わからねーのかよ。心の中でうんざりしながらメモに材料を書き記した。

「ほら、遅いからさっさと帰れ」 『わかってるわよ』

最後の最後まで怒鳴りあって別れた。 こんな時間だ、送っていったほうがよかったかもしれない。

「まったく、なんなんだ、アイツは・・・」 『いいじゃない、あんなかわいい子と口喧嘩できるなんてー』

相変わらずこの人はのんきだ。


なんだか、明日は忙しくなる気がする。 「やべー、アイツに口封じしておくの、忘れてた!!」


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