君を救うまで
「もしも1億円貰える代わりに人生の中で一番最悪な瞬間を無くすまでその日をタイムループするボタンがあったら押す?」
「なにそれw急にどうしたのw」
そう言って君は笑いながら返事する
「でも、私は押さないかな〜」
「なんで?」
「だってさ、ずっと過去に囚われてたら新しい人生なんか歩めないじゃん?それに私は一緒に人生を歩みたい人が居るし」
そう言って笑う君を見る自分の中にモヤモヤとした気持ちがあることに気づいた
「それじゃあまた明日ね」
笑顔のまま君は手を振ってさよならをする
「あのさ、俺言いたいことがあって─────」
そう言いかけた瞬間
当たり一面にクラクションが鳴り響く
車と物がぶつかるドンという鈍い音が響く
目の前に広がる光景は地獄絵図そのものだった
血のついたトラックと道路
ガードレールにぶつかり大破しているトラック
「あ…うわ…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「ウ゛ア゛ア゛ア゛ア…」
目の前の光景を理解できなかった
理解したくなかった
認めたくなかった
これで99回目
何度も失敗した
今回も救えなかった
一日をループするなんて楽勝だと思ってた
永遠に続く死から救えなかった
こんな世界じゃ一億も意味を為さない
あの日、幼馴染が死んだ
もしも自分が遊びに誘わなかったら
何度も考えた
自分も逝こうとも考えた
ビルに向かう途中怪しげな男に会った
その男に一億を貰える代わりに人生で一番最悪な日を無くすまで永遠とループするボタンを渡された
その日からずっと時に囚われた
ずっと
ずっっと
ずっっっっっっっと囚われている
何回もやめたくなった
時に囚われるのがこんなにもきついとは想像もしなかった
次で最後にする
次で君を救う
この気持ちが伝わらなくてもいい
命に変えても君を救う




