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第10章:教室の骸骨たち

サキはうなずくが、まだ全てを理解しきれていない様子だ。そして、ほほえみながら私を見て言う。「さあ、遅れるわよ。あなたが骸骨のグループを歓迎したせいで、山田先生の怒りを買って授業に遅れたくないから」


歩きながら、私は思わず笑ってしまう。「そうね!また数学の戦争に巻き込まれたくないわ」


学校へ向かう道中、朝の会話が弾む。冷たい空気が私たちの顔を包み、笑い声が通り過ぎる他の生徒たちのささやきと混ざり合う。サキに自分の経験を共有できると思うと、胸がときめく。


今日はどんな謎に出会えるだろうかと、想像が膨らむ。可能性は無限大だ。古い霊が助けを求めているかもしれないし、地元の伝説が現実になったのかもしれない。私の考えは、山田先生の厳しい視線と絡み合う。


「今日、何か謎を解けると思う?ただ楽しみたいだけの幽霊に出会ったらどうする?」と私は、楽観的な口調を保とうとしながら叫ぶ。サキは懐疑と面白がりの入り混じった表情で私を見ている。


「リカ、幽霊はそんなに親切じゃないと思うよ。授業中に超常現象の調査をして、危険な状況に陥りたくない」と彼女は答え、肩にリュックを掛け直した。


その答えに私は笑ったが、心のどこかで不安の火花が散った。すべての謎が、見た目通りとは限らないかもしれない。


学校の門をくぐると、授業開始を告げるベルが鳴っていることに気づき、私たちは急いで歩を進めた。生徒たちは廊下に散らばり、試験を心配する顔もあれば、最新のゴシップに笑い合う顔もあった。ふと、教員室の方を見やると、山田先生が獲物を待つ捕食者のように動き回っているのが見えた。


突然、サキが私の手を取り、走り出した。廊下を駆け抜ける間、私は思わず笑いがこぼれた。足音が響き渡り、何か言おうとしたが、遅刻しそうだという思いがさらに足を速める。


「さあ、リカ、遅れるよ!」とサキは後ろを振り返りながら言った。彼女のエネルギーは伝染するようで、自分が思った以上に楽しんでいることに驚いた。


ロッカーが私たちの周りを飛び去り、好奇の目で私たちを見る生徒もいれば、私たちの走りに驚いてただ道を空ける生徒もいた。私たちがスカリーズを連れてきたせいで遅れて走っていることを彼らが知ったら、何と言うだろうかと想像せずにはいられなかった。


ついに、教室のドアにたどり着いたとき、ちょうどベルが再び鳴り、時間切れを告げた。私は深く息を吸い込み、激しく鼓動する心臓を落ち着かせようとした。やった!間に合った。


サキがドアを開けると、山田先生が私たちよりほんの少し遅れて到着し、私たちの後ろに立ち、その黒い瞳で私たちをじっと見つめていた。血の気が引いた。今こそ、課題や説教の嵐に巻き込まれる瞬間だ。しかし、奇妙なことが起こった。山田先生は、あの有名な鋭い視線ではなく、部屋の隅にある何かをぼんやりと見つめているようだった。


「さあ、席についてください」と山田先生が言うと、その低い声が教室に響き渡った。私の足は自動的に自分の机へと向かい、緊張と高鳴る鼓動はまだ収まっていない。サキが私の隣に座り、私たちは一瞬、目配せを交わした。それは「やったね!」と言っているようだった。


しかし、先生は何を見ているのだろう?私の目は先生の好奇の視線を追って、その隅に何があるかを見つけようとした。壁に映った影しか見えない。まるで一筋の光がいたずらをしているかのようだ。まさか、そんなはずはない。教室に幽霊?


一瞬、空気が重くなったように感じた。まるで、その空間が何か特定できないもので満たされているかのようだった。私は唇を噛み、好奇心に駆られるよりも授業に集中しようと努めた。しかし、何が起こっているのか考えないことは不可能だった。この学年はすでに奇妙な出来事の連続であり、スカリーズは決して遠くにはいないようだった。


先生が喉を清めて、私の思考を中断し、授業のテーマについて話し始めた。それは、二次方程式というごくありふれたものだった。私の思考はそれてしまうが、すぐにその考えに戻ってしまう。もし、ここで解決すべき謎が待ち構えているとしたら?


「リカ、ちゃんと聞いてる?」サキが片眉を上げて尋ね、私の思考を中断させた。


私ははっとし、罪悪感に満ちた視線を彼女に向けた。「ええ、もちろん。ただ…その方程式の解き方を考えていただけ」私は、説得力があるように聞こえるよう、嘘をついた。


しかし、心の中では、その隅に対する好奇心がますます高まっている。私の心は、そこにどんな精霊が隠れているのか想像を巡らせる。もし、私たちの前にこの学校に通っていた人だったら?失くした鉛筆を探しているのかもしれない…あるいはもっとドラマチックな、不満を抱えた精霊たちの伝言のようなものかもしれない。


山田先生は説明を続けるが、私の目が再びその隅に注がれると、先生の言葉は遠くのささやきに聞こえる。私は何か行動を起こさなければならないと決めた。考えもせずに、私は手を挙げた。


「先生?」私の声が説明を中断した。皆が私の方を向く。クラスメイトたちの好奇の視線を感じる。


「どうした、神崎?」先生は驚きと疲れが混ざった口調で答えた。


「あの、その隅をちょっと確認してもいいですか?」私は、先生の視線が私が指し示しているところに向けられていることを知りながら、その方向を指さした。


教室は静まり返り、私は一線を越えてしまったのではないかと不安になった。サキは「トラブルに巻き込まれないで」という表情で、そっと私の肘を突いた。でも、もしここに、教室の中に、謎や冒険のチャンスがあるとしたら?


山田先生は黙り込み、理解できないという表情が、次第に面白さと苛立ちが入り混じったものへと変わっていく。そしてついに、諦めたようにため息をついた。「神崎、ここは授業中だ。必要なことは授業が終わってから調べなさい」


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