俺の隣に居たバイト仲間が好きな女の子の事を俺は好きになる!
俺とバイト仲間の男が隣同士で好きな女の子の話をしていた。
俺達と同じバイト先の女の子の事をコイツは好きになっていたらしい。
全然俺は知らなかった。
同じ時間に俺もコイツもその女の子も入ってるというのに......。
俺だけ知らなかったのかな?
コイツは、その子がバイト先に入って来た当時から好きだったと言う。
俺はその子はタイプでもなかったから、気にもしていなかった。
でも? コイツがその子にいつの間にか? 【告白】してフラれたらしい。
どうやら? 他に好きな男がいるらしく、、、。
しかも? 同じバイト先の男らしいのだ!
ひょっとしたら? “その子が好きな男とは俺かもしれない!?”
『夕奈ちゃんは、男が好きなんだろう?』
『俺に聞かれても知るかよ!』
『そうスッよね、でも? 同じバイト先に好きな男が居るなんて!』
『“許せないか?”』
『まあ、仕方ないスッけどね、でも、納得は出来ませんよ!』
『じゃあ、これは例えばだけど? “その相手が俺だったら許せるか?”』
『何、夢みたいなこと言ってスッか? それはないスッよ!』
『なんでだよ! まだ分からないだろうが!』
『・・・まあ、そうスッけど、おれは塩田じゃないかと思ってるんスッ!』
『塩田か? まあ、イケメンだしな~』
『おれはもう夕奈ちゃんにフラれたんで、その資格はないスッけど。』
『“これぐらいで諦めるのか?”』
『おれだって諦めたくないスッよ!』
『“じゃあ、これで俺達ライバルだな!”』
『えぇ!? 阿久津さんも夕奈ちゃんの事が好きなんスッか?』
『・・・ま、まあな、』
『そういうのは早く言ってくださいよ!』
『すまんすまん。』
『じゃあ、おれも諦めません!』
『そうだよ! 絶対に、夕奈ちゃんを塩田なんかに渡してたまるか!』
『そうスッよ!』
『“俺達、今だけ同盟組むか?”』
『賛成スッ!』
・・・こんな感じで、何故か? 俺はその子の事が好きになり
塩田という同じバイト先のイケメンに彼女を渡さないという同盟を
コイツと組む事になる!
普通に考えたら? “何故そうなった!?”と言わんばかりの事が
一気に進んでいた。
ただただ隣で話していたバイト先の男が、横で好きな女の子の話をして
俺がその女の子の事を好きになる、不思議な話だ!
“恋愛対象として全く見ていなかった女の子の事をそう簡単に好きに
なるモノなのか?”
*
・・・俺とコイツが同盟を組んで数日後。
俺もコイツも特に何かした訳でもなく、時間だけが過ぎて行った。
そして、遂にあの子の好きな男が分かったんだ!
まさか!? 一番オタクで目立たない“奥野という男が好きらしい!”
俺とコイツはお互いに顔を見合わせて、“嘘だろう!?”となった。
イケメンでもなく可愛らしい男の子でもなく、ただのオタクが好きとは?
コイツはまだ、彼女の事が好きだったからまだマシだが......。
俺は間接的に彼女の事が好きになり、勝手にフラれる。
こんな終わり方があるのか?
・・・でも? 既に俺は夕奈ちゃんの事を好きになっていた。
“失恋だ! なんで俺が失恋しなくてはいけないんだ!”
何にも知らない彼女の事が俺は好きだ!
俺の彼女への【好き】を返してほしい!
元々、俺は彼女の事が好きじゃなかったのに。
・・・待てよ? “全ての責任は全部、コイツにあるんじゃないのか?”
俺の隣で彼女の話したコイツに責任が全てあるはずなんだ!
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