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俺が忘れさせてやる・・・なんて言わない人だった。
ただ、隣にいてくれて 心地よくて
縋ったわけではないけれど、その空間に守られていた。
あるとき彼は言った。
「俺じゃダメか」と
今更だった。すでにあなたじゃないとダメだった。
伝えたことなかったっけ?思い返してみるけれど
確かに言ってなかったかもw
わたしが悶々と考えているうちに、彼の表情はなくなっていった。
思い返せば早2年、あの時から2年もたっていた。
彼は2年間、何も言わず手も出さずにそばにいてくれたのだ。
わたしは27歳、彼は32歳になっていた。
「俺、今だったら養えるくらいの給料もらってるし。
あ、別に家庭に入らなくても良いけど・・・。
でも、俺が帰ってきたときに家に明かりがついているのみたら
すげーうれしかったし・・・」
今、私達は同棲している。付き合ってもいないのに笑
私としては付き合ってると思っていたけど
「だから、もしよかったら結婚してほしい。
やっぱり、ダメか?
俺はおまえが好きだから、これからも一緒にいたい。」
そう言って、小ぶりのダイヤモンドの指輪を渡された。