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13話

「ほらほら~!早く吐かないと、このうっかり君を天国に打ち上げちゃう魔法が当たっちゃうよ~!」


「ひぃぃぃ!?」


 盗賊との戦闘は………まぁ、別に語るほどでもないな。


 俺が使った魔法は審判の裁き(ジャッジメント)という魔法で、神に愛された神童のみにしか使えない魔法。


 俺の瞳を通じて、いると思われている神に裁きをするかどうかの審判をしてもらい、無事に有罪と出たら、直々に神から裁きをされるよっていう魔法。


 軽く言っているが、なかなかえぐい魔法なんだぞこれ。


 だって、有罪判決された奴、裁きくらった瞬間一発でお陀仏よお陀仏。自分が死んだという自覚のないまま、体を構成するただの原子となって消える。


 そんで、先程生意気にもアリスとルーナを襲えと命令した頭領らしき人以外を消滅させて、戦意喪失したところを拘束して、あまり得意では無いのだが、尋問をしている。


「ほらほら~早く吐いた方がこの恐怖からおさらばできるよ~………二重の意味でだけど」


「ひぃぃぃぃ!?」


 現在、当たれば普通に死んじゃう規模の魔法を目の前で見せたり、顔の真横に当てたり、目の前の地面にクレーターを開けたりしているのだが………こいつ、全然吐かねぇな。おもらししてるくせに。


「……あれ、止めなくていいんですか?」


「いいのよいいのよ。盗賊殺しても別に罪には問われないし」


「それよりルーナちゃん!さっき聞きました!?俺の女って言いましたよ!ティルファさん!」


 後ろの方で何やらわちゃわちゃしてるのが気になる。早く俺もルーナとアリスと話したい。


「おいこら、早く情報吐けっつってんだろ。闇ギルドが俺たちになんの用かは知らんが、うっかり俺の手が滑ってその腹に風穴開けたらどうすんだこら」


「!?」


 俺が闇ギルドと言った瞬間、こいつの顔がなぜバレた!?的な顔をした。


 いや、だって俺これでも元勇者パーティーだったからさ、暇があれば殲滅してくれって国に頼まれてたんよ。だからその時に闇ギルドを示す紋章を見たことあってだな。


「………はぁ、もういいや。口を割らないなら殺す。別に次また襲ってくる奴がいるならそいつらに聞けばいいしな」


 またこの尋問をしなければならないのだが……まぁいい。慈善活動だと思ってしったりと天国に送ってあげよう。俺って優しい。


「わ、分かった!言う!言うから見逃してくれ!」


「なんだ、話がわかるやつじゃないか。ほら、とっとと吐けこら」


「ひぃぃぃぃぃ!?」


 そして、闇ギルドのやつは泣きながら、噛みながら話し始める。


「お、俺たちはウルゴスとかいうやつから頼まれたんだ!アンタらを捕らえろって!女二人の方は生きていればどの状態であろうが構わないって言ったんだ!」


「………ウルゴス?」


 誰だそいつ、知らねえ。


「そいつは、なんて言って依頼してきたんだ?」


「ゆ、勇者からの依頼だって言ってたんだ!」


「………ふーん。ダウト」


「なっ!?ほ、本当だ!」


「あぁ、《《お前の話しは》》本当だろうな」


 そう言うと、闇ギルドの奴がぽかんとした顔になる。まぁそうだよな。そんな顔になるよな。


 ………軽率だったなウルゴスとやら。お前は何も勇者エリアスのことを分かっていない。迂闊にあいつの名前を出すなんてな。


「ま、とりあえずよくやった。お前は特別に見逃してやるーーーー」


 と言うと、闇ギルドのやつが一瞬嬉しそうな顔になるが。


「とでも言うと思ったか?このファック野郎が」


「は!?」


 あまりの事態に驚いた盗賊が声を荒らげた。


「何故だ!?俺は情報を全て喋ったろうが!」


「あぁそうだな。その情報は有効に活用して、ディルクロッド領に持ち帰ってやる。よくやったな。褒美として、ディルクロッド領所属、ディルソフ家の次男が代わりにお前への褒美として、痛みを感じない天国への片道切符をやろう」


「ふざけんなよ!?さっき見逃してくれと頼んだろが!?」


「何言ってんだこのタコ。頭脳みそじゃなくてカニ味噌でも詰まってんのか?」


 俺は盛大にため息を吐いた。


「あのな。ほんとだったらお前、もつとっくのとうに死んでんの。分かる?その時点で俺はお前を見逃してんだよ………アリスとルーナを襲おうとした。それだけで貴様が死ぬ理由は充分だ」


 俺は、闇ギルドの奴に向かって手を伸ばした。


「そんじゃおつかれさん。来世は家畜として生きてせめて誰かの食材になるために生まれ変われよ」


「い、いやだ!?俺はまだしにたーーーー」


 はいどーん。おつかれー。


 ペチン。と奴のおでこにデコピンをすると、こいつは泡を吹いて気絶した。


「あら、殺さないでいいの?」


 と、後ろからルーナが歩いてやってくる。


「別に。ここで殺すより、あの街に送り返して闇ギルドを殲滅するための情報源として生かしておいた方が、ゆくゆくは国のためになんだろ」


 まぁ、アリスとルーナに手を出そうとしたのは本当にキレたが……他に気になる存在も出てきやがったしな。


「そ、それよりもティルファさん……」


 と、アリスが俺の服の袖をキュッと握ってきた。


「あの、先程の俺の女っていうセリフは………その、そういう事として受け取って大丈夫なんですか……?」


 と、俺のことを翡翠色の瞳をうるうるとさせ、少し頬を赤くして見上げる。


「…………………ん?」


 てか俺、そんなこと言っ…………てるー!?ガッツリ言ってるわ俺ー!?


 自覚した瞬間、一気になんか気恥しいという気持ちが膨れ上がってきた。


「その反応……やっぱり告白として受け取っていいのね!!」


「待て待て!あんなムードもへったくれもない場所&無意識の告白なんてノーカンだノーカン!」


「なら!今この場でやってください!アリス、愛してるよって耳元で告白してください!分かりました!ティルファさん!」


「辞めろ!?こんなムードもない場所でやめろ!?あとついでに返事もするな!」


「わ、私も耳元で愛を………」


「ルーナさぁぁん!?」


「いやぁー……若いってええのぅ……」


 わちゃわちゃしている俺たちを見て、御者さんがそう呟いた。

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