友達と恋人 3
文化祭まで後3日。授業はなくなり、全日文化祭の準備に当てられるようになった。
私たちのクラスの準備は順調中の順調だ。
「じゃあ私、休憩してくるね。」
「はーい。」
作業に目処がついてきたため、ここからは順番にお昼休憩だ。
いつもなら千紗とお弁当を食べるのだが、残念ながら真剣な面持ちでダンボールに青色の絵具を塗っている彼女の休憩はまだ先のようだ。
まぁ仕方ない、教室の隅っこで食べるか。
「ちーちゃん、ちーちゃん。今暇?」
「暇ですけど……」
開いている端っこは教室の後ろ扉のある隅しかなかった。
ツナマヨを開ける直前、扉の窓に見覚えのある顔が写った。
扉のせいで少し声が滲んでいるが、間違い無く茉鈴だ。
「あのね、今から他のクラスの偵察に行こうと思ってるんだけどちーちゃんも行かない?」
「私からお昼ご飯食べるんだけど……」
「いーじゃん、いーじゃん。一食くらい抜いても死なないってー」
「確かに死にはしないけど午後の作業、集中できなくなるでしょう。」
「大丈夫だって。ちーちゃんごときが集中できなくても作業になんの支障もないからー」
はははと乾いた笑いをしながらひどいことを言う茉鈴。
そんなに私と偵察に行きたいのか?一人で行けばいいのに。
「わかった、後5分待って。急いで食べるから。」
「だめ、今すぐ行こう!」
扉を開けたせいか、さっきより茉鈴の声が大きくなる。
腰に手を当て、早くしろという顔をする茉鈴は少し怒っているように見えた。
「な、なんでそんなに急いでるのよ。」
「当たり前でしょ!私の休憩時間終わっちゃうもん!」
「私だって貴重な休憩なんだからそんなことに使いたくないから!」
「そんなことって、偵察することによって相手の傾向を伺えるじゃん!ちーちゃん最優秀賞欲しくないの?」
「別に欲しくないんだけど……」
「とにかく行こ!千紗には適当に理由つけてあげるから!」
折れない茉鈴に無理やり引っ張られ、ツナマヨを放棄して偵察に行くことになってしまった。
はぁ……最悪なんですけど。




