ライバルが増えた 2
「まず彼氏って何……?そんなのいないんですけど……」
「この前見ました!ファミレスで山下先輩と男の人といました!どっちかが花澤先輩の彼氏なんですよね!?」
らんの圧が凄い….引いてしまうほどに。
「えっと……違いますけど……」
「本当!?本当に違うの!?」
今度はすずまでも圧をかけてきた。
「違うって、まぁ1人は千紗の彼氏だけど、もう1人はその彼氏の友達だって。」
「「よかったぁ……」」
おお、さすが双子。息ぴったりだ。
2人は胸を撫で下ろしながらやっと落ち着いてくれた。
「あ、ごめん。LINEだ。」
ポケットにしまったスマホが震えている。
取り出して、ロックを解除しようとした時だった。
「待って!今男の人の名前だった!誰!?」
またもやすずの圧が強くなった。
「誰ってお兄ちゃんですけど……」
「なんだ……よかったぁ!」
「そうよ、花澤先輩とあの男の人は関係ないんだから。」
「あ、でもたまに連絡とってるよ。」
「「はぁぁぁ!?」」
またしても双子の息はぴったり。叫びながら立ち上がった。
少ないけれど周りの視線が痛い、お願いだからやめてほしい。
「何で!?」
「なんでって……連絡くるから。」
「ブロックしてください!」
「何でよ。」
「どんな会話してるの!?トーク履歴見せて!」
「思春期の娘の父親か。嫌われるぞ、そんなんじゃ。」
「「だって気になるんだもん!」」
ええ……そんなこと言われてもブロックするのは悪いし、トーク履歴見せるのも佐伯くんに悪いし……
「ふぅ……これ以上ライバルが増える前にそろそろ決着をつけるべきね、らん。」
「上等よ、決めましょう。どっちがちりちゃんと付き合うか。」
「は……?あんたたち何言ってるの?」
「ちりちゃん!文化祭で決めて!どっちと付き合うか!」
「はぁ!?何でよ!第一私、誰とも付き合う気な……」
「そうと決まればちりちゃん!すずと文化祭回って!」
「だから、」
「あ、ずるい!花澤先輩、私と回りましょう!」
「ずるじゃないもん!らんは下がってて!」
「はぁ!?あんたはいつもそうやって……」
2人はいつも通り喧嘩を始めた。こうなってしまえば、私の声などもう聞こえない。
え、ええ……なんでこうなっちゃったんだろう……




