夏に焦がれる 3
「で、ぶっちゃけどうなのよ。」
「何が?」
「どっちと付き合うの?すずちゃん?らんちゃん?」
「あー……千紗のそのモード久しぶりだね。」
「本気で聞いてるのよ。さっさと教えなさいよ。」
珍しくノリノリだ。コイツ恋バナ(女の子同士の恋愛に限る)好きすぎだろ……
昼食後、茉鈴とすずらんは海に飛び込んでいったが、私は千紗に話があると引き留められた。
折角海に来たのにといじけたが、ジュースを奢らせるのを条件に付き合ってあげた。
「もしかして話ってそれ?」
「いいから答えなさいよ。ジュース奢ってあげたんだから。」
「別にどっちとも付き合う気ないよ。というより誰とも付き合う気ないし。」
「何で?」
「何でって……面倒くさい。」
「それだけ!?」
「第一すずとらんは友達だし。付き合いません。」
「ふぅん……つまんな。」
……聞いといてなんだよ、その態度は!つまんなそうな顔しやがって!
「本当にゼロ?一ミリも可能性はないの?」
「ないって。大体千紗はどうなのよ、好きな人いないの?」
別に恋バナが好きなわけではないが、話を逸らしたいがために話題を振った。
ガールズラブが好きな千紗のことだ。自身の浮ついた話の一つや二つくらいあるだろう。
「ああ、私彼氏いるよ。」
「へぇ、彼氏いるんだ……はぁ!?あんた彼氏いんの!?」
思わず持っていたジュースを握り潰しそうになった。
浮つきすぎだろ……!私の予想の斜め上をいったわ……
「いるよ。五年くらい付き合ってる。」
「はぁ!?長っ!」
まさか千紗にそんな彼氏がいたなんて想像もしていなかった……
「ど、どんな人……?」
「どんなって……別に普通よ、普通。ていうかそんなに驚く?あんた恋人いたことないの?」
「いやあるけど……今私の話はいいの!普通って何!?詳しく話してよ!」
「詳しくって言っても普通は普通よ。」
「だーかーら!詳しく話せって言ってるでしょ!」
「……そんなに知りたいなら直接会う?」
「は……?」
「あった方が早いでしょ、こういうのは。」
私はこの時、想像もしなかった。まさかあんなことが起こるなんて……




