学級委員も楽じゃない 4
「えぇー!?もう文化祭のこと決めたの!?早くない?まだ六月の半ばだよ!?」
「三年生の気合の入り方は異常だからね。」
「私のクラスはテスト明けに決めるって言ってました。」
「私も!楽しみだなぁ、文化祭!」
ああ、ここにも文化祭賛成派がいるのか。
私たちはまた某ファストフード店に来ている。
この赤点女が勉強を教えてほしいと土下座をしてきたので、ポテトを交換条件に勉強を教えているというわけだ。
まぁ現在真面目に勉強しているのは私とらんの2人なんですけどね…
すずは勉強なんて頭の片隅にもなさそう顔をしてハンバーガーを口へ運んだ。
おそらく部活終わりでお腹が空いているのだろう。
一口がものすごく大きかった。
「花澤先輩、ここ教えてください。」
「はいはい、ここね…」
らんはものすごく真面目に勉強している。
まだテスト3週間前なのにこんなに真剣に勉強しているなんて感心する。
「でも最近、ちりちゃん付き合いいいよね!なんで?もしかしてすずと付き合う気になってくれた!?」
「そんな日一生訪れません。」
「そうよ!付き合うなら私とだもん!」
「2人とも人生楽しそうで羨ましいわ。」
「真面目に!なんで?何でこの前まで逃げ回ってたのに遊んでくれるの?」
「…今日、遊ぶつもりで誘ったの?」
「へ?そうだけど?」
すずの言葉にこの半年で一番大きなため息がこぼれた。
マジかよ…こいつ…
すずはぽかんと口を開けたまま、悪気のないような顔をしている。
本当にコイツは平和な人間だ。
期末テストは赤点を取ると補講があることは黙っておいてやろう。
「で?なんで?」
「なんでって…別にあんたらと付き合う気は1ミリどころか1ピコメートルもないけど…」
「らん、ピコメートルって何?」
「簡単に言うとものすごく小さい単位よ。」
「な、なるほど…」
「まぁ…別に関わりたくない理由はもうないから…別にたまにならいいよ、あんたらに関わるの。」
2人といる時間はそれなりに楽しいと言うことは絶対に言わないでおこう。
だって今この瞬間でさえ、2人はキラキラと目を輝かせ私を見ているもの。
言ったら絶対調子乗る。
「じゃあお昼ごはん一緒に食べるのは!?」
「千紗と茉鈴と一緒に食べるから無理。」
「えっと…一緒に帰るのはいいですか!?」
「私図書室で勉強してから帰るから無理。」
2人の申し出をことごとく交わし、流石の2人も少し落ち着いたようだ。
目の輝きが失われてきている。
「えぇー…じゃあ今までとそんなに変わらないじゃーん…」
「…確かに。」
言われてみればそうだな。
学年も違う私たちにとって学園内での接点などないに等しいもんな。
「じゃあ今度うちに遊びにきてよ!またお好み焼きパーティーしよ!?」
「あー…それならいいよ、暇な時なら。」
おばさんにも、報告しといたほうがよさそうだしね。
何より色葉家のご飯はグルメリポータもベタ褒めレベルで美味しいからね。
「本当ですか!?なら明日はどうです!?」
「平日じゃん、無理だよ。」
「なら来週の….」
「空いてる日連絡するから待ってて。」
前言撤回。
やはりコイツらと関わるのは面倒くさいかもしれない…




